第8話

川村美琴_2
300
2021/01/06 21:57
リリカ
どうかなされました?
川村 美琴
あ、いや!
好きだった人に似てるなって…
ミヤケ
え、俺?
リリカ
それは偶然ですね



口走ってしまったが、リリカさんは興味のあるような顔をしてくれた。



ミヤケ
…女子トークは勘弁だから
じゃあ楽しんでー



そう言ってミヤケさんは出ていった。



リリカ
…もしよろしければその話、聞かせてもらえます?
川村 美琴
え、いいですよ
結構最近の話なんですけど…




1ヶ月前



隣のクラスの高梨という丁度ミヤケさんに似た雰囲気の男の子が私の好きだった人。





1年の時に同じクラスでそこからずっと片想い。


高梨くんは優しくて友達がたくさんいて女の子からも人気だった。



ある日私の友達からの圧しもあり、勇気をだして想いを伝えた。





が、


「ごめん、俺川村のことまじで普通すぎてわかんねぇんだわ。」






そう言って私はフラれてしまった。
川村 美琴
もう笑い話ですよ!
自分が今までいいと思ってた普通が他人から見て短所になるなんて…
リリカ
…貴方がよければそれでよくないのですか?
川村 美琴
そういうワケにもいかないんですよね…
リリカ
私は普通というのは素晴らしいことだと思いますよ
リリカ
今の世の中、出た釘は打たれるので。個性等言ってますがそんなもの綺麗事にすぎない。
その狭間をキープできるのはよいことかと
川村 美琴
社会的によくても私はまだ学生ですよ?
好きな人と付き合うとか派手に青春したい年頃なんですよ!



正論をぶつけられたことに少しムキになってしまった。



川村 美琴
あ、すみま…




リリカさんはいきなり立ち上がり私の傍まで来た。





表情1つ変わらず不気味だったがリリカさんの顔に笑顔が見える。





そしてその笑顔もまた不気味だ。







リリカ
その願い叶えてさしあげましょう
川村 美琴
え?



何を言うかと思いきや、叶えますって。









想像上の私を?



リリカ
ですから、その夢を叶えますって言っているんです。
川村 美琴
ですからじゃなくって!
それからそんな漫画とか小説のようなことできないでしょう?



微笑みが彼女の顔から消える。







リリカ
…私についてきてください






好奇心でついていくと、大きな鏡の前に着いた。


川村 美琴
わぁ…
リリカ
その鏡に背を向けて立ってください





一体どういうことだろう。






胸の鼓動が高まる。






リリカ
質問をしましょう
もう一度貴方の願いを言ってください
川村 美琴
…普通を抜け出した私になりたい
リリカ
承知致しました
リリカ
それでは……楽しんで……………。




そうリリカさんが言った瞬間、4本の腕が鏡からでてくる。




川村 美琴
え?!何?!!



怖くて動けない。









そのまま私は鏡に引きずり込まれた。

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