第9話
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さらに3日後、刀が届いた。
色は炎の呼吸を使うからか濃いめの橙色。
翌日、
霞柱様に頂いた羽織に蛇柱様から頂いた髪紐、お姉ちゃんから貰った草履、煉獄さんからのスネに巻く真っ赤な布。
癸隊士がここまで柱に何かを貰うなんて初めてだろう。
だからこそ自身も持てるというものだ。
現地に到着した。
なんてブツブツ言いながら足を進める。
遠くで鬼の声が聞こえる。
そう独り言を言って駆け出した。
街人が襲われる1歩手前で鬼の頸を斬った。
ごとん、と頸が落ちた。
刀をしまってそう話しかけると
にひっ、と笑う。
小さく手を振り、街人と別れて姿が見えなくなった頃
近くに鬼が居ないか気配を探る。
お姉ちゃんほど強ければすぐに勝てるのだろうが私はまだまだ。
しばらくその場にいて気配を感じようとしたが鬼の気配はなく、近くを見回ってもいないので本日の任務を終わりにした。
家に帰るとお姉ちゃんは任務にいってて誰もおらず、直ぐにお布団に入って眠りについた。
翌日は御屋敷の掃除、お洗濯物等をやる。
お姉ちゃんは柱だからすごく忙しい。
明日には帰ってくるらしいけど柱だから何時どこで緊急任務が入るかもわからない。
気を抜ける立場じゃないのならばせめて帰ってきた時くらい気を弛めて欲しい。
そんな気持ちを込めて家事をした。