第60話
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その日からは炎柱になったことがむず痒かった。
煉獄さんは上弦の参との戦いで左目が潰れ、みぞおちを貫かれた。
本来ならそこで死んでもおかしくなかったが奇跡的に助かったらしい。
あの後
お屋敷に実弥さんを連行して
と実弥さんにグイグイ詰め寄ったら
って目を合わせてくれない。
それならと無理矢理押し倒して上からぎゅうっと抱きつけば顔を真っ赤にして
実弥さんは気まずそうにしているが知ったことではない。
普段お子ちゃま扱いするんだからこういう時はそれを最大限に使わせて頂こう。
ジト目で見る。
ちゃんと話をしてくれない実弥さん。
さらにぎゅうっと力を込めると
何が反応するのか分からなくてとりあえず
違ったようだ。
何か言ってたが聞こえなかった。
顔を真っ赤にした実弥さんは諦めたようで
そこに視線を移す。
やっと意味がわかって私も顔を真っ赤にした。
ばっと身体を離して転がって部屋の隅に逃げた。
そうボソッと言うと
転がってきたのか後ろから抱きついて実弥さんが今度は私に言ってきた。
ククッ、と笑う実弥さん。
そう言うと実弥さんは私をコロンっと仰向けにさせ、上から動けないように押さえつけてきた。
所謂「押し倒されている」状態。
そして隊服を少しはだけさせて首筋にちゅうっと吸い付いた。
顔が近づいてきたかと思うと唇が合わさった。
ちゅっ
ちゅっ
と、触れるだけのキスが続いたかと思うと舌がねじ込まれる。
実弥さんの唇が、舌が暖かくて、柔らかい。
ぼんやりと頭の隅に時透さんの顔が浮かんだが、すぐに消えてしまった。
それは、いつの間にか隊服の釦を外され、隊服の下に着ていたシャツの上から胸を触られたから。
実弥さんの大きな手で優しく、大きさを確かめるように揉まれる。
火照った顔で離れていった実弥さんの顔を見ると実弥さんはピシリ、と石のように固まった。
そう声をかけるとどこかに行ってた魂が戻ってきたかのように
ククッと笑う実弥さんに
なんて返した。
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