無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第64話

63
時透無一郎side





あなたに酷いことを言ってしまったと気づいてからおよそ2ヶ月。






ある街で、だいぶ離れた所に僕があげた羽織を着ているあなたを見つけた。



隣には不死川さんがいたけど。



僕の事を苗字で呼んで敬語での話し方になっていた事なんてどうでもよかった。





あなたが僕のことをあきらめる、なんて言っていたけどまだその羽織を着ているってことは、と言った瞬間、



あなた

お返し致します

なんて言ってあなたは着ていた羽織を、お守りまで返してきた。





頭が真っ白になった。




あなた

実弥さん、新しい羽織を買ってくださいよ

不死川実弥
おう
なんて会話をしていた。




時透無一郎
これ、
この羽織を着てくれればいいじゃないか。





息が白くなるほど寒いんだから。




鼻先も、指先も赤くなっているじゃないか。





不死川さんはちら、とこちらを見て何も言わずにあなたに手をひかれて離れていった。





僕は羽織から、お守りから目を離せなかった。





どうして。




どうして返す、なんて











そんなに苦しい表情で言ってくるんだ。








時透無一郎
あなた.......







僕が頭に血が上って
「二度と話しかけないで」
なんて言わなければよかった。










言わなければ、あなたは不死川さんと一緒にいることもなかったのに。








この羽織も、お守りもあなたの匂いが染み付いている。






これは貸したんじゃない。








僕があなたにあげたものだと言うのに。







気づいたら屋敷に戻っていて自室であなたの香りがするその羽織とお守りを抱きしめていた。






時透無一郎
ごめん、あなた.......

心が、砕けそうだ。






時透無一郎side終了







本人視点に戻ります



実弥さんの手を引っ張って歩いていく。



ずっと実弥さんは無言だった。
あなた

(もう、あの人と私を繋ぐものは無い)




これで良かったんだ。






嫌われてしまったものはもう仕方がない。






無理に話しかけてもらう必要なんてないんだ。





大丈夫。私は私の責務を全うする。



不死川実弥
.......あなた
実弥さんが声をかけてきた。





立ち止まって
あなた

何?

不死川実弥
その、良かったのかァ?
あなた

何が言いたいの?

実弥さんが珍しく弱気な顔をしている。
不死川実弥
時透から貰った羽織も、お守りも、
すぅ、と自分の気持ちを押さえ込んで
あなた

いいの。ずっと心のどこかで彼の顔がチラついてたから
これでそんなことも無くなる
これでやっと彼から開放される

不死川実弥
っ.......
あなた

どうしてそんなに悲しそうな苦しそうな顔をするの?

自分に問いかけているようだ。
あなた

もしかしてあれしきのことで私が任務に行けなくなるとでも?

そんなことない。
私は「炎柱」だもの。


あなた

大丈夫です
いくら皆さんほど実力がないといえどこれから頑張りますから


涙がこぼれそうになる。




けれど意地でも出してたまるものかと、
あなた

実弥さんは、私では役不足だと言いたいんでしょうか?

不死川実弥
そんなことは無い
あなた

本当のこと言ってくださって構いませんよ

全ての気持ちに蓋をしよう。





辛いという感情が、出てこないように。




悲しいという感情が、零れてしまわぬように。






柱の責務を、全うする為に。
あなた

私なら、大丈夫だから



























強くなる為なら、なんだってする。