第27話
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並び始めてから30分後、やっとお店に入れた。
建物自体はお座敷で個室になっている。
ほぁー.......なんて思いながら通された個室を見回す。
お品書きを見るとぱんけえきがあって生くりいむと蜂蜜がたっぷり乗っているらしい。
実弥さんが注文してくれて、おはぎとみたらし団子、お茶はすぐ来た。
ぱんけえきは
みたらし団子にかぶりつきながら実弥さんを見る。
幸せそうにおはぎを頬張る姿は20になりそうな感じは全くしない。
顔は怖いけど。
まつ毛は長いし整ってるし。
目も血走ってなければ普通に話しかけられるんじゃないかな、綺麗なバインバインの女の人にさ。
あれ、よく見たら実弥さんって眉毛あんまり生えてない.......
全剃り派なんかな、
顔をガン見していたら話しかけられた。
そこでぱんけえきが運ばれてきて、
パタン、と閉じられた扉。
2人とも固まっている。
ギギギ.......と実弥さんを見ると顔を真っ赤にして固まっていた。
フォークとナイフで1口サイズに切り、口に入れる。
生くりぃむと蜂蜜がとっても美味しい。
実弥さんがなんか言ったような気がしたけれどおはぎを食べていたからきっと空耳だろう。
半分くらいまで行くとそう声をかけられて頷いた。
なんかいつの間にか私のみたらし団子食べてるんですけど?
え、しかも二本目じゃん。
まぁでも今日は実弥さんが払ってくれるって言うしいいか。
1口サイズにまた切り、フォークの上に乗せて
素直にあーんされてくれた実弥さん。
伏し目がちな顔は音柱様とはまた違った色気がある。
真ん中にさくらんぼがチョコん、とふたつ乗っていて最後の二口分をまた一口サイズに切ってさくらんぼを乗せ、
あむ、とまた私のフォークから食べてくれた。
茎と種を口から取りだし、ぱんけえきをもぐもぐしている。
ちょうど私が持っていたヘタを指さしてくる。
ゴクリと飲み込み、
取り皿に入れられていたヘタを口に入れ、もごもごしたかと思うと
んべ、と突き出された舌には綺麗に結ばれたヘタがあった。
ケタケタ笑う実弥さん。
お店の入口でお会計の時、
私の手を握って少し足早に歩く実弥さん。
それに追いつくには小走りするしかなくて、
直ぐにゆっくり歩いてくれて
頬を少し赤くしながら歩いていく実弥さんについて行った。