第46話
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上手く息ができない。
心臓がバクバクしていて酸素を欲しているのに、
風柱様もとっくに下弦の伍を斬っていて私のところに来てくれた。
ぎゅう、と抱き寄せてくれて背中をトントンしてくれる。
少しずつ落ち着いてきておよそ5分後、
と、少しずつ息ができるようになってきた。
けれど、疲れもあるし出血のせいもあったのか
意識を飛ばしてしまった。
不死川実弥side
下弦の陸を倒したあなたは慣れない型を使ったからか過呼吸を起こしてしまった。
落ち着かせようと抱き寄せて背中をトントンして
と、何回も繰り返し言ってやると落ち着いてきたが五体いたらしい鬼の相手をした時の出血等からか
意識を飛ばした。
蝶屋敷に運ぶか.......と決めてあなたを抱き上げると
以前街で会った娘達だった。
もう気を使うのも疲れたからそのまま話を続ける。
あなたが声を上げたと思ったらさっきより顔色が悪い。
すぐにでも蝶屋敷へと連れていかないといけない。
御館様には俺から言っておくかァ.......
めんどくせぇけど。
麻耶だったか、
娘からあなたの羽織を受け取り、その場から姿を消して急いで蝶屋敷へと向かった。
胡蝶に診せると貧血を起こしてはいるが命に別状はないと言う。
まあ左腕を骨折、
背中を強くうちつけたのか筋を少しやっちまったみたいだが治れば隊士としてまた戻れるらしい。
俺は翌日本部へと向かい、
御館様のいる部屋へと入り
本部から出た後、どちらに返事をするか悩んだが菊葉とやらの方に出すことにした。
蝶屋敷の場所とあなたが退院するまでの限定であることも記して。
あと胡蝶にもそのうちあなたの友達である一般人二人が行くかもしれないという文も飛ばした。
丙ではあるが十二鬼月を倒したとなればさらに上がるだろう。
しかも炎の呼吸の奥義である「煉獄」を使っていた。
煉獄から聞いていた話だとまだ禄に使えたものでは無いと聞いていたが.......
友達の命の危機に晒されていたことからいつもより集中して出来たのだろう。
そう呟いて任務に向かった。
不死川実弥side終了