第8話

そう簡単に



〈玲於side〉
貴方
貴方
玲於ー


あなたさんがお皿洗いながら俺を呼ぶ


今でも、俺の家にあなたさんが居るなんて
すごい不思議な感覚で。

それと少しの罪悪感
玲於
玲於
はーい、なんすか?
貴方
貴方
お皿洗ってる間にお風呂入ったら?
玲於
玲於
あー、いや、あなたさんから入ってください
貴方
貴方
え?!いやいや、人の家のお風呂に
最初に入るのは、、笑
玲於
玲於
大丈夫っす、笑
貴方
貴方
いやいや、どうせお皿洗ってるし!
玲於
玲於
じゃあ手伝います
貴方
貴方
えー……笑


そう言って濡れてるお皿を拭いていく



……やべぇ、めちゃくちゃ夫婦みたいじゃね?
なんて馬鹿みたいなこと考える
玲於
玲於
あ、そういえば着替え。

俺の借りてください
貴方
貴方
あっ、そうだよね、、
ごめんね、
玲於
玲於
全然大丈夫っす


そんなこんなしてる内に
皿洗いはすぐに終わって
貴方
貴方
じゃあ、、お先に、、
玲於
玲於
はーい、ごゆっくり


あなたさんがお風呂場に入ってから


携帯を開く



LINEの中から涼太くんを探して
玲於
玲於
涼太くん、お疲れさま
驚かないでほしいんだけど、
あなたさん、今俺の家に居るから。
何もしないから安心して。

それと、仲直りくらいは早くしてね笑

って送る

ある程度既読がつかないのを確認してから


テレビをつけてゴロゴロする



しばらくゴロゴロしてたら
お風呂から上がる音が聞こえて
貴方
貴方
借りたよ~、
ありがとね!
玲於
玲於
いやいや全然大丈夫っ………


大丈夫っすよ

って言おうとしたけど



今上がったばっかりのあなたさんは
髪の毛が濡れてて
俺の洋服はダボダボ

………やべぇ。危ない
貴方
貴方
ん??玲於??


どうしたの?
って俺の顔を覗き込むあなたさん

その顔もいつもより更に色気があって
玲於
玲於
っ………何もないっす。

入ってきますね
貴方
貴方
??
うん、ごゆっくり!



逃げるように脱衣所に入って




落ち着け俺。落ち着け。

あなたさんにはちゃんと相手がいる。
変な気起こすなよ。

って自己暗示して

それでもまだ煩い心臓を必死に抑えながら
お風呂に入った




〈涼太side〉
玲於
玲於
涼太くん、お疲れさま
驚かないでほしいんだけど、
あなたさん、今俺の家に居るから。
何もしないから安心して。

それと、仲直りくらいは早くしてね笑

……何だよこれ…



お風呂から上がって携帯を見たら
玲於からこんな一件のLINE



玲於の家に、、、??

…二人、、、??



最悪…
涼太
涼太
なんでこうなるんだよ、、、



確かに俺らは喧嘩したけど

さすがに家には帰ってくると思ってた



しかも、よりによって玲於の家
涼太
涼太
はぁぁぁ…


ため息をついたら掛かってくる一件の電話
涼太
涼太
もしもし
龍友
龍友
お、もしもし
涼太か?
涼太
涼太
そうだよ
龍友
龍友
仲直りできたん??
涼太
涼太
……してない。

ていうか、出来ない
龍友
龍友
……は??
どういうこと?
涼太
涼太
……あなたさ
玲於の家に居るって
龍友
龍友
…………ん???
え、、え??はい?

あなたさんが??
玲於の家に?
涼太
涼太
そう
玲於からそうやってLINE来てた
龍友
龍友
……あかんわ。
頭がついていかへん
涼太
涼太
俺もだよ



喧嘩しても家には帰るのが
カップルってもんじゃないの、、、??

俺がただ単にそう思ってただけ?
涼太
涼太
……どうすればいいんだろ
龍友
龍友
…アホか
どうすればいい。じゃないねん
決まっとるやろ
涼太
涼太
え?
龍友
龍友
行け。玲於の家。
涼太
涼太
はい?
龍友
龍友
だから、玲於の家に行けって
涼太
涼太
いやでも、、、
龍友
龍友
…どうするん?

今頃あなたさんと玲於がイチャイチャしてたら、、玲於やって男やぞ。
何するか分からへん
涼太
涼太
………そっか…
龍友
龍友
せや。
はよ行け
涼太
涼太
…分かった



そう言って俺は自分でもびっくりするくらい
急いで家を出た





玲於があなたのこと好き。
って知らないふりしてるけど、知ってる。



だから向こうは来てほしくないって思ってるんだろうけど



どうしてもあなたは譲れないんだ

ごめんね玲於





〈あなたside〉


テレビ見ながら髪の毛乾かしてたら
玲於がお風呂から上がった音
貴方
貴方
ドライヤー借りてます、笑
玲於
玲於
はい、笑


暑いのかタンクトップに半ズボンの格好


ソファーに座って携帯見てるけど
出てる腕はしっかり筋肉がついてて
貴方
貴方
玲於も鍛えてるんだね
玲於
玲於
え?笑

そりゃ鍛えますよ笑
貴方
貴方
そっかそっか
玲於
玲於
なんすか、
鍛えてないって思ってました?笑
貴方
貴方
いやー、そういうわけじゃないよ笑


うわー棒読みーー

って笑ってる玲於



やっぱ笑顔可愛いな




…………いや、ダメダメ。
こんなこと思っちゃダメ。
玲於
玲於
あれ?あなたさん?
大丈夫っすか?


玲於が顔を覗き込んで来て
貴方
貴方
ん?あ、え、
大丈夫!大丈夫!!

あ、か、乾かしてあげるね、!!
玲於
玲於
え?いや、大丈夫っすよ。

あっ、!
貴方
貴方
うわっ!


ソファーの後ろに回り込もうとしたら

玲於の足に引っかかっちゃって



こける!!
って思ったら、全然痛くない




目を開けたら

目の前には玲於の顔と天井
玲於
玲於
っ………
貴方
貴方
………あ………ごめん……



顔が本当に近くて


お互いに目が合ったまま逸らせない
玲於
玲於
……え……っと



離れればいいだけなのに

なぜか離れられなくて


沈黙が続く






そしたら

♪ピンポーン



家のチャイムが鳴って

それを合図に急いで離れる




はーい

って言いながら玄関に向かう玲於



……やばい…


めちゃくちゃドキドキした……




こんなこと思ったらいけないはずなのに。

このままここに居ると
今までの気持ちがまた蘇りそうで




そんな私に

もうここには居るな。
って神様が言うように
玲於
玲於
あ、涼太くん
涼太
涼太
あなた、迎えに来た

そう簡単には

この気持ちが蘇ることはない気がした