第5話

喧嘩



〈玲於side〉



…………何かがおかしい



いつもはニコニコしながら話してる二人が

一言も話さずに


あなたさんはヘアメイクの準備

涼太くんは携帯触ってる
龍友
龍友
……なぁ、何かあったん。
あの二人


龍友くんが小声で聞いてくる
玲於
玲於
…いや、、分かんないっす


遠慮がちに見てたら
貴方
貴方
よし、出来た。
最初誰ー?
龍友
龍友
じゃあ、、俺行くわ
貴方
貴方
ほーい。
どーぞ
龍友
龍友
お、おう、



龍友くんが行くって言っても
一言も発さずに携帯を見てる涼太くん



あなたさんはやっぱり手際が良くて


すぐに終わる
貴方
貴方
はい、次ー
隼
はーい!
貴方
貴方
はーい



それから他の皆もしてもらって

やってもらってないのは俺と涼太くんだけ
貴方
貴方
はーい、次
玲於
玲於
………涼太くん。
どっちが行く?
涼太
涼太
んー、どっちでもいいよ



そう言いつつも目線は携帯のまま
玲於
玲於
じゃあ俺で
貴方
貴方
はーい



椅子に座って


鏡からあなたさんを見ると
明らかに元気が無くて
ずっと見てたら
目が合う



どうしたの?
って口パクしたら
貴方
貴方
…後で話すね

って小声
玲於
玲於
……はい


それからもずっと静かで


喋らないからかすぐに終わる
貴方
貴方
はい、終わり

玲於
玲於
ありがとうございます

涼太くん。
涼太
涼太
ん?あ、うん


まだ携帯を見ながら椅子に座って


あなたさんを見るとすごく辛そうで
亜嵐
亜嵐
……あれは喧嘩だな
裕太
裕太
それしかないな。
メンディー
メンディー
へぇ、あの二人でも喧嘩すんだね
龍友
龍友
そりゃしますよ、
カップルっすもん
隼
喧嘩か~…



皆がそう言ってる中


俺は二人を見ることで精一杯で




もしもあなたさんが泣きだしたらどうしよう
とかそんなことばっか考えてた




その後も二人はやっぱり静かで


撮影が終わってからはまた楽屋が騒がしくなる

1つだけ違うのは
涼太くんは喋るようになったこと
亜嵐
亜嵐
あっはははは笑
メンさんやばすぎ笑
龍友
龍友
いや、やばいやろ?!笑
僕もびっくりしたわ笑
涼太
涼太
それ普通に失礼、笑
メンディー
メンディー
いや、別にそういうつもりで言ったんじゃないけどな笑
隼
そういうつもりの他に何があるんですか笑




いつもならあなたさんも会話に入ってくるのに


あなたさんは帰る準備してて



バッグを取って
貴方
貴方
お疲れ様でした~


って言いながら楽屋を出ていく


分かってる。

こんな時あなたさんは
最上階にあるヘアメイクの練習室に行く。




はぁもう、一人にさせれるわけねぇ
玲於
玲於
……俺も帰るわ
玲於
玲於
お疲れ様でした~



そう言って楽屋を出てから

エレベーターに乗って
最上階のボタンを押す





〈涼太side〉


………あなたと喧嘩してしまった



喧嘩の理由は


この前あなたが玲於と飲みに行った日。



午前様にならない。
って言ってたくせに、帰ってきたのは
夜中の1:00で



何回か電話かけたのに出ないから
心配して家で待ってたら


家に来たのは
玲於と肩組んで酔ってるあなた
貴方
貴方
ただいまぁぁ!
玲於
玲於
ごめん涼太くん。
あんまり飲まないように。
って言ったのにすごい飲んじゃってさ
貴方
貴方
ありがとねぇ、玲於くん。
涼太
涼太
ありがと、玲於

ほら、あなた歩ける?
貴方
貴方
歩けるよーーーー


そう言って家の中に入っていったあなた




玄関には俺と玲於だけになる
玲於
玲於
ごめんね涼太くん
涼太
涼太
大丈夫だよ、

逆にごめんね??
玲於
玲於
ん、大丈夫

じゃあ、お休み
涼太
涼太
お休み


そう言ってドアを閉めようとしたら
玲於
玲於
……あっ
涼太
涼太
、ん?



またドアを開けたら


前には俺の顔を見て真剣な顔をしてる玲於
玲於
玲於
……あのさ、涼太くん
涼太
涼太
うん、どうした?
玲於
玲於
その…………ごめん。
俺、やっぱあなたさんのこと好きだわ

いや、彼氏が涼太くんな時点で
もう無理なのは分かってるんだけど
やっぱ諦められなかった
玲於
玲於
いや、あの、でも、
涼太くんが彼氏だってのは
本当に承知してるから。
大丈夫

その、うん、それだけ。
じゃあね


まるで宣戦布告のように言い放っていった玲於



家の中に戻ったら


酔いが覚めたのか水を飲んでるあなた
涼太
涼太
あなた、こんな時間まで飲んでたの?
貴方
貴方
ん?うん、そーだよ。

飲みすぎた、、、
涼太
涼太
そーなんだ、楽しかった?
貴方
貴方
楽しかったよ!
涼太
涼太
うん……良かったね
貴方
貴方
……??どうしたの?
涼太
涼太
……いや


俺がそう言った瞬間

あなたの携帯にLINEが来る
貴方
貴方
あ、玲於だ

はは、笑
楽しかったです。
だって笑
相変わらず文面でもクールだな笑



画面を見ながら幸せそうに笑ってるあなた



玲於からのLINEがそんなに嬉しい?

そんなに幸せそうな顔するほど楽しかった?
涼太
涼太
………なんで
貴方
貴方
ん?
涼太
涼太
俺からの電話は出なかったのに
玲於からのLINEだったらすぐ見るんだ
貴方
貴方
え?


そう言って電話を確認して
貴方
貴方
あっ、ごめん、
気付かなかった、、、
涼太
涼太
いいよ、別に。
それほど楽しかったんでしょ。
大人の付き合いってやつが


嫉妬からなのか
つい口調が強くなってしまう
貴方
貴方
何怒ってんの?
涼太
涼太
別に怒ってないけど?
貴方
貴方
怒ってるよ
涼太
涼太
なに、じゃあどんな言い方すればいいの?
貴方
貴方
いつもの言い方じゃないじゃん
涼太
涼太
そりゃそうでしょ。

午前様にはならない
って言いながら帰ってきたの1:00って
貴方
貴方
だから、飲みすぎて、、
涼太
涼太
うん、分かってる

でもそこらへんの制限は出来るって思ってた
貴方
貴方
なにが言いたいわけ?
涼太
涼太
別に。

酔ってても電話くらいは出れるんじゃない?
それとも、出たくなかっただけ?
貴方
貴方
なにその言い方

その時は酔ってたって言ってんじゃん



二人ともこんな時に
あ、喧嘩してる。やめないと。

なんて思うわけがなくて



どんどんヒートアップしてくる
涼太
涼太
良かったね、
玲於と肩組めて。
貴方
貴方
は、?
涼太
涼太
俺知ってるよ。


………前、あなたが好きだったのは玲於だって


俺のこの言葉があなたのかんに障ったみたいで
貴方
貴方
ねぇ、それどういう意味
涼太
涼太
そのままの意味
貴方
貴方
私が玲於のこと好きだったとしても
今付き合ってるのは涼太じゃん
涼太
涼太
そうだけど、

さすがにこんなことがあったら
何があったか俺も知んないじゃん
貴方
貴方
私そんなに信用なかったんだ
涼太
涼太
そういうわけじゃないでしょ
貴方
貴方
そういうことにしか聞こえない。

確かに玲於のこと好きだったよ
でも、今付き合ってるのは涼太で。
私が今好きな人も涼太じゃん。
涼太
涼太
今日こんなことが無かったら

今、あぁそっか。って言えてる
貴方
貴方
じゃあ私はなんて言えばいいの?!

意味分かんない
涼太
涼太
あなたがそう思わせるようなことするからだろ

そんなに玲於が好きなら
玲於と付き合えば?



さすがにこの言葉は

言った後に後悔する
貴方
貴方
………なにそれ


…最低


その言葉を吐きすてて
自分の部屋に入っていったあなた


”俺、やっぱあなたさんのこと好きだわ”
って玲於の言葉

その言葉が俺の心の中の余裕を全て無くして


そのせいであなたに当たってしまう俺は
すごく情けなくて。ださくて。
涼太
涼太
………はぁ



一度言ってしまった言葉は
もう後戻りできない



自分で自分に傷をつけた俺は
どうすることもできなかった。