第2話

だせぇ



〈玲於side〉



あれから仕事を終わらせて

俺らがいつも行く居酒屋に向かう




向かってて

前を歩く涼太くんとあなたさん見てたら
隼
玲於
玲於
玲於
ん?
隼
まだ気持ち冷めてないの?
玲於
玲於
は?
隼
は?って……笑

ほら、あなたさんへのだよ

小声で言ってくる隼
玲於
玲於
……恋心なんかもともとない


なんて見え見えの嘘
隼
それにしても好きになる人間違えたね


よりによって涼太くんだもんな……

って呟いてる隼は無視して



また前の二人に目線を移すと
涼太
涼太
あ、そう。
なんか新メニュー出たらしくてさ
あなたの好きそうなやつなんだよね
貴方
貴方
えっ!そうなの?!

てことは、、お肉?
涼太
涼太
んーん。アボカド
貴方
貴方
……私アボカド嫌いなんだけど…
涼太
涼太
ふはっ笑 嘘だよ、笑
お肉だよ
貴方
貴方
えー!やったー!
涼太
涼太
絶対その反応すると思った、笑


二人の周りにはオーラが漂ってて


誰も近付くな。
って言われてる気がした
玲於
玲於
…はぁ…
龍友
龍友
どうしたん、元気出しぃや
玲於
玲於
…元気なんか出ないよ
龍友
龍友
んもう、!
仕方あらへん。涼太の彼女やもん。
誰も敵わへん
玲於
玲於
…だよな



涼太くんには敵わない。
なんてそんなの分かってて


自分の気持ちも素直に言えねぇ俺が
あのキャラの涼太くんに勝てるわけがない
龍友
龍友
なぁ、あなたさん
今日お酒飲むん?
貴方
貴方
飲む飲む!!
龍友
龍友
あ、飲むんや!

家どこらへんなん?


龍友くんが質問したその答えが


俺にすごいダメージを与えた
貴方
貴方
あぁ、家はね
いろいろ面倒くさいから
涼太の家。
涼太
涼太
そーでーーす
龍友
龍友
はぁぁ?!



涼太くんの家……??

二人で……??


玲於
玲於
……隼
隼
うんうん、言いたいことは分かってる
龍友
龍友
え、もうそんなん
いつでもやんな。涼太
涼太
涼太
いつでも。って言うのやめてください笑
貴方
貴方
ほんと、変わってない、笑



二人の笑顔を見れば見るほど

俺の心は黒く染まっていって



……俺今日無理だわ
ってふと思った
玲於
玲於
…ごめん皆
涼太
涼太
…ん?
玲於
玲於
用事思い出した。
貴方
貴方
え、用事?
玲於
玲於
うん。ごめん。
あなたさんおめでとう、
じゃあ今日はこれで。



そう言って

皆の輪から抜けて家に戻る



面倒くせぇ。
タクシー使お。





タクシー止めて乗ろうとしたら


後ろから急に腕を掴まれる
玲於
玲於
うわっ、、え……あなたさん
貴方
貴方
玲於、連絡先。
交換してなかったから
玲於
玲於
え、連絡先?
貴方
貴方
うん。交換しよ


連絡先なんて、明日も会うんだから
明日すれば良いのに。

俺のことなんかほっといて
皆と飲めば良いのに。




俺の目の前のあなたさんは
息が上がってて、走ってきたんだ。って




…なんでいつもそうやって
俺に期待させんの、、、?
玲於
玲於
……良いっすよ
貴方
貴方
…ありがとう!!
玲於
玲於
、てか、走ってきたんすか?
貴方
貴方
うん!

玲於なら途中で面倒くさくなって
タクシー使うかな。
って思ったから!
玲於
玲於
ふはっ笑
図星っす笑
貴方
貴方
あっはは笑
やっぱりね笑



そんな会話しながら交換して
貴方
貴方
オッケー!
ありがとう!
じゃあね、玲於!



そう言ったあなたさんは走って店に戻ろうとする
玲於
玲於
ええ、ちょちょ、!
貴方
貴方
っ、ん?
玲於
玲於
ん?じゃないっすよ…

え、……はぁ、もう。
店まで付いていきます


どうやら1人で走ってきたらしく


なんで皆付いてこねぇの、?
さらわれたらどうすんの、?

なんて
貴方
貴方
そんな、悪いよ!

ほら、タクシー乗りな!
玲於
玲於
あ、じゃあタクシーで。
貴方
貴方
えぇ……



ほら。
って半強制的に乗せて
店に向かう


めっちゃ遠いってわけじゃないけど、

女の人が簡単に走れる距離ではないわけで。

この距離走ってきたんだ。
って思ったら自然と頬が緩む



そう思ってたら店に着いて
貴方
貴方
あ、お金…
玲於
玲於
良いっす。
出しますから。
貴方
貴方
え、いや、でも、、
玲於
玲於
どうせもう自分の家行くんで
玲於
玲於
楽しんでください
貴方
貴方
………本当にごめんね
玲於
玲於
大丈夫っす
貴方
貴方
今日は玲於くんが居ないから……

また今度、ご飯食べ行こ!!
じゃあ!



そう言って最後まで笑顔を振りまいて

お店の中に入っていくあなたさん
玲於
玲於
………はぁ…



”また今度、ご飯食べ行こ!!”
って……

何その言葉。

二人で、?
涼太くんには内緒、?


あぁもうまじで……


1人で静かに嘆いてたら
運転手
今の方、彼女さん?
玲於
玲於
え?
運転手
あ、急にすいません。
彼女さんかなーと…
玲於
玲於
……そうだったら嬉しいっすけどね…
運転手
……あぁ、なるほど
玲於
玲於
あ、〇〇までお願いします
運転手
了解です。


そう言って動き出すタクシー
運転手
…片思い。ってやつですか?
玲於
玲於
そうなりますね…
玲於
玲於
しかも相手は彼氏居るんで…
運転手
……それ気まずいですね
玲於
玲於
はい、本当に。
……バカっすよね、こんな年にもなって
好きな子すら振り向かせられないって
運転手
いやいや、そんなもんですよ。
玲於
玲於
そうっすか?
運転手
はい、
振り向かせられなくてもどかしくなったり
切なくなったり。
それが片思いってやつです
玲於
玲於
……なんか、思うんすよね

勝手に期待して自意識過剰になってる自分気持ち悪ぃな。って、笑
運転手
いやいや、
さっきの方と貴方、とてもお似合いでしたよ
玲於
玲於
彼氏と居るとこ見たら、
そっちの方がその感情強くなりますよ笑

なんて、もう皮肉しか言えなくなってきてる俺

運転手
あはは笑
彼氏に勝る男は居ない。
とかよく言いますよね、笑
玲於
玲於
…その言葉今一番嫌いっす笑



そんなこと話してたらすぐに着いて


もうすっかり仲良くなった運転手のおじちゃん

お店までの分は良いから。
なんて言ってくれて
玲於
玲於
…ありがとうございました
運転手
ありがとうございました~

片思い。頑張ってくださいね笑
玲於
玲於
はい、笑



頑張ってください。
ってその一言で強くなれた気がして。


もしかしたらこのおじちゃん
俺の恋のキューピッドだったりする?

とかしょうもないこと考えて



家に着いてからは

テレビ見たり。



用事なんてないけど
言ったからには今更戻れもしない
玲於
玲於
……やっぱ行けば良かったかな~…

なんて思うけど、


二人の笑顔を思い出す度に心が黒くなって

玲於
玲於
あー、俺だせぇ……

って一人で呟いてた