それから私は走って、走って走った
また怖くなった。またいなくなっちゃうんじゃないかって…
もう、テヒョンの信頼を無くしたのかもしれない……
涙が溢れてきて止まらなかった…また前と同じ?別れて再開?そんな希望もう持ってないよ…
走ってきたせいで、息が切れる…
後ろから誰かが口をタオルで塞いできた。体も押さえつけられて
慌てて逃げようとするがもう遅い…私はそのまま意識を手放した
・・・
周りは灰色の壁で覆われていて、私だけがポツンとその真ん中にいた
知らない男の人が扉から出てきた
なんのこと……?
とくい…たいしつ
上手く舌が回らない
金……実験……海外……
男が段々とよってくる
後ろに下がったが壁……男は私の顎を上げて必死に抵抗する私を無視して
何か無理やり飲み込ませた
男はそのまま部屋を出ていった
私は泣きながら助けに来るはずもない…大好きな人の名前を呼び続けた
時間が経ち男が注射器をもって入ってきた
無理やり掴んで注射される
男は私の頬を叩き蹴ってくる
私の髪を無理やり掴んで暴力を振るう
男は時々注射をする。その度に私はおかしくなっていく
そう言って部屋を出ていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!