風になびくロングシルバーの髪
大きな瞳はまるで空を写したような澄んだブルー色
誰もが振り向き、その容姿に魅了される。
けれど私はそんな自分が好きではない
纒わり付く様に私の腰に手を添える男共
ほらね?見た目が良ければなんだっていいのだ
そんな男達を無視し、歩き進めるがそう簡単には
振り切れない
言う事聞かないなら力でねじ伏せると?
ドクズの最低最悪野郎だね。
けど何を言われたって酷く心が冷めるだけ
そんな私に一人の男が牙を向く
あーあ。先に手を出したのはアンタらだからね。
軽々しく男の手を払い拳が鳩尾へと入る
それを見た他の男達は後退り皆は声を揃えて
こう言った
「氷の姫…?」『氷の姫?』
その異名を持つ私は"氷の姫"こと天葵あなた
そしてさっき自分の事を好きではないと言ったけど
それは間違い。
本当は心底自分が嫌いだ。
男たちがなんだか騒がしく視線を向けると
確かに先程まで居なかった少年がそこにいた。
片手にどら焼きそしてもう片方には紙袋
『お前、噂通り強ぇし可愛いな!俺気に入った!』
理解出来ないことまで言い出した。
でもまぁ、私にはどうでもいいし興味なんてない。
この出会いから私の世界全てが変わり始めた。
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