ジョルノさんは腕を捲って水道で手を洗いながら楽しそうに「あのことまだ気にしてるんですか?」と聞いてくる。悪質過ぎる。
そう捲し立てるように大声でツッコミを入れる。いやだって!「すみませんね」って言ってるけど顔が笑ってるもん!口角上がってるもん!絶対思ってないって!
何なんだジョルノさんは。私の気分を高揚させるこの方は何なんでしょうか!?と私は1人どこにいるかも知らない誰かに問いかける。
するとそんな私を見たジョルノさんは更に面白そうな顔をしながら「別に馬鹿にしている訳じゃあないんですよ?」とフォローになっていないフォローをして来る。
妙な間を置いてそう言ったジョルノさん。私は一瞬その言葉の意味が分からなくなった。そして数秒後に理解して私はもう何かの次元を超えた。
多分私の顔は真っ赤になっているであろう。今まで「可愛らしい」とか言う言葉は親にしか言われたことがないから。学校行ったら「ブス」しか言われないもん悲しいけど。
だけど何でなんだろう。ジョルノさんの顔もほんのり赤くなっているのは。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。