ジョルノside
僕が少しイジるとあなたさんは顔を真っ赤にしてツッコミを入れて来る。見ていて実に面白い。
僕は「馬鹿にしている訳じゃあないんですよ?」とフォローを入れるがあなたさんに「フォローになってない」と言われてしまった。
だが実際あれは本当に良かったと思っている。そのことを伝えたかったので僕は少し恥ずかしい気持ちもあったが気にしないフリをして言った。
僕にとってはかなり勇気がいる言葉だった。女性にこのようなことを言った経験など勿論ない。ミスタのようにナンパしちゃったりする趣味が僕には無いからだ。
あなたさんは一瞬その場でフリーズしていた。現に、鍋の中の肉じゃがを混ぜようとしている手がピタリと止まっている。
真面目にそう思いながら答えるとあなたさんは真っ赤な顔をして「自分から言っといて!」とツッコむ。だがこればかりは2度も言えない。恥ずかし過ぎる。
僕は、顔が赤くなっているのをあなたさんに見られたくなかったので少し顔を逸らして横を見た。全く、何を言っているんだ僕は…。
だけど言ってみて悪い感じはしなかった。寧ろそう言われて顔を真っ赤にしたあなたさんの姿を見ると嬉しい…と言うか、なんとも形容し難い良い気持ちになった。
昨日と言い今日と言い僕は色々と可笑しい。何なんだろうか、この変な気持ちは。そう思っていると、あなたさんに話しかけられた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!