中也は単車を走らせていた。
それも、異能力《重力操作》を利用し、
高層ビルの屋上を走っている。
単車を運転している中也の後ろには
太宰が乗っている。
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中也達は、東京の都心部の外れにある、
ひとつの黒い高層ビルの前に立っていた。
突然、気配もなく大柄な男が現れた。
大柄な男に太宰は気づかず、
首に手刀をくらわせられる。
手刀で意識を失った太宰は、光莉と同様に
大柄な男に担がれて闇の中に姿を消した__。
中也は怒りに我が身を任せ、走り出した…。
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中也は高層ビルの中で駆けていた。
向かってくる敵を異能で倒し、走り続ける。
長い廊下の真ん中に通路塞ぐようにして、
少女が立っていた。
その少女達の手には、モニターが握られている。
中也は足を止め、異能を解いた。
ザザザ…と、音がして画面に人影が映った。
人影は2つ。
画面がどんどん見えるようになっていき…
そこに映っていたのは…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!