学校に行くのも憂鬱なんて 、いつぶりだろ。
める「 ちょあなた、大丈夫? 」
いつもうるさいめるも 、珍しく心配してくれて。
昨日の帰りのことだから 、わたしたちのこと目撃してた人も数人いるわけで
める「 誰に 、キスされたの? 」
「 昨日のイケメンの先輩 、最悪 」
めるは苦笑いして 、御愁傷様です。って手を合わせて拝んでくるし
める「 だからこんなに 、」
その先の言葉は 、言わなくてもなんとなくわかる。
「 とりあえず 、関わりたくない 」
頭 、狂いそう。
平凡な生活さえも危うくなってきたし 、
める「 誰か言ってたけど 、神宮寺先輩はロングがすきらしいからさ 」
神宮寺 、って名前にピンとこなかったけど 話の流れにあいつだろうと。
める「 あんたの髪 、きれいだから惚れたんじゃない?
ってことです 、切っちゃえば! 」
気分悪くて 、可笑しくなりそうなわたしに対してめるは 、なんか楽しんでる。
ずっと伸ばしてきた髪の毛 、切るのはかなり勇気がいるけど
「 あの野郎先輩と関わらなくてすむなら 」
める「 やってみる価値は 、ありそうでしょ?
」
その日は部活を休んで 、美容室に直行した。
「ぜってー、あいつと関わりたくねぇ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!