▶︎Continuation…
本当に告られてると思ったのか、相当驚いている様子のゆな。
あ、危ない…。ところだった。
と言って、ゆなが出したのは、私がお弁当を忘れた時によく購買で買う、"いちごじゃむぱん"。
と、可愛く頬を膨らませるゆな。
こーゆーこするから、モテるんだよ…(笑
私もゆなのこういうところが好きだなと実感する。
なんて回想を進めてぼーっとしていると、
と言って、ゆなは私の机の上にドサッと袋を置いた。見ると、購買の袋いっぱいに"いちごじゃむぱん"が入っていた。
ぱっと、中を見ただけでも、7つ以上はある。
と、単語だけ言い残したゆなは、自分の席へ戻った。
ーーーーーー
放課後の部活動_
私は、りい先輩に大きく礼をした。
なんて、おねだりポーズで言われたら。
しか言えないじゃないですか、りい先輩。
りい先輩と話終わったあと、視線を感じ周りを見る。
やっぱり。
るうと先輩が、こっちをみて怒った顔をする。
私が、りい先輩にあの事バラしたと思ってると思われる。
私は、目が合ったるうと先輩に向かって、大きく首を左右に振る。
振ったはずなのに、
スタスタとるうと先輩がこちらに向かってくる。
なんで?!
なんて、るうと先輩らしくない低い声で名前を呼ばれる。
じゃあなんで私に、文句付けたんですか(汗
すると_
"ドンッ"
勢いで、壁を思っきり叩くようにして手をつくるうと先輩。
逃げ場がない私は、るうと先輩の両腕に挟まれた。
いわゆる壁ドン?!
私は、恥ずかしさのあまり"はい"を連呼せざる負えなかった。
"えっ。ヤバくない?"
"何あの2人…部活中なんですけど"
"俺、あなた先輩のこと、狙ってたのに〜"
"なになに!?萌えるんですけど♡"
"るうと先輩ぃ〜(泣"
なんて部員の子の声が聞こえる。
自然と目がるうと先輩から、外れる。
"グイッ"
るうと先輩に顎をクイッと持たれ、先輩と自然と目が合う。
私は、小刻みに首を上下に振った。
そう言い残すと、るうと先輩は元の位置に戻った。
ーーーーーー
日は傾き、空は赤褐色から闇に染まってきた。
部活終了後、私は予定通り、りい先輩を手伝っていた。
部室棟裏にある荷物を部室まで、運ぶという仕事だった。
私とりい先輩で、最後は一緒に荷物を運んで部室に入った。
なんて思い出したように、りい先輩が部室の中で足を止めた。
すると、りい先輩は部室のドアまで移動し、ドアを思いっきり開けた。
文をぶつ切りでそう言い残し、りい先輩は勢いよくドアを閉めた。
ドアに小走りで向かい、ドアをドンドン叩く。
開か…ない???
すると、りい先輩は片手に鍵を持ち、べーっと舌を出したのち、ドアの前から姿を消した。
"ガコン ガコン"
何度も何度もドアを揺らす。
また…かっちゃん先輩関係ですか…
私は、へなっとその場に座り込んだ。
独り言が部室に響く。
それと同時に瞬時にそのあとの後のことを考える。
鞄も持ってないから…スマホもない。
ということは連絡ができない。
ということは家に帰れない。
家に
帰れない?!?!
私、あなた。
緊急事態発生です。
▶︎To be continued…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。