Day2.
PM:)22:54
今日は、私の噂が流れてるっていう話を、ゆなから聞きました。
王子様的存在の、かっちゃん先輩が私のことを好き…みたいな噂。
変な噂が流れるのは、嫌だな…
ーーーーーーー
教室に入るとすぐに声をかけてくれる私の親友、"ゆな"。
すっごい真剣な眼差しで私を見つめるゆな。
噂とか流されないタイプの私だから、何言われてるのか怖い…
私は、黙ってコクンと頷く。
唾を飲み込む。
大声を出しすぎて、クラスの視線が私に刺さる。
噂に敏感なゆな。
ゆなは、かっちゃん先輩にも興味持ってた時があったからよくかっちゃん先輩のこと知ってる。
私も、少しくらいは分かる。
学校でも、有名な人だ。
"キーンコーンカーンコーン"
そう言って、ゆなはスキップで自分の席に戻った。
ーーーーーー
時間はお昼時。
なんて、雑談をしながら食堂に向かってると…
聞き覚えのある声で後から話しかけられる。
立ち止まり、くるりと振り返ると…
るうと先輩が、軽く謝る。
ゆなが、コソッと耳元で話す。
よ、呼び出し!?!?
しかも、男の先輩から!?
という、ゆなのコメントに私は大袈裟に首を振る。
必殺!"ニコッと優しい笑顔"で、そんなこと言ってもゆなは「だめで〜す」なんて言って止めてくれるはず…
私が、人の誘いを断るのヘタクソなの知ってるから…
はぁっ!?
そう、上手くはいかなかった…
私は、ズルズル引きづられるようにして連れてかれる。
ゆなを見ると、ガッツポーズを返されただけだった。
ーーーーーー
来たのは体育館裏…
るうと先輩が、手を振った。
その先みると見たことある人が…
るる…先輩…だっけ?
人気者の2人は、"DOWBL「R」"と呼ばれるほどの先輩だ。
特に女子に人気者。
背の高い2人に、囲まれた私の身体は完全に硬直してしまった。
もしかして…
もしかして…
あっ
えっ
この人達もしかして…
ひぇええええっ!
ジリジリと距離を詰められる。
私は唖然としてその場に立つのが精一杯だった。
数分後_
私は、大きくコクコクと首を縦に振った。
完全に2人がいなくなったのを見届けると、一気に身体の力が自然と抜けた。
大きな溜息を1つ。
まさか、あのアイドルのように慕われてる2人がレズビアンだと知ったファンの子は、どうなるかくらい想像できる。
まぁ、言うつもりは1microもないけど。
あんなに罵声を浴びせられたのに、折れてない自分を褒めて欲しい。
今までで1番、時間の流れがゆっくりに感じ時だった。
自然と口にした一言。
誰もいないから、優しく口からこぼれるように出た一言。
ゆっくりとしゃがみ、両手で瞼を塞ぐように閉じる。
瞳を閉じたら、瞼の裏には笑うこぼさんが2Dで浮かび上がる。
昨日会ったばっかりなのに、
切実に"会いたい"と心が叫んでいる。
▶︎To be continued…
⚠︎キャラクター情報については、
気になるキャラクターアイコンを
タップしてご覧下さい。
By raspberry.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!