第36話

本当はものすごく優しい
7,115
2018/08/12 08:30
名取
あの、緋山先生。
雪村、そろそろ退院しても良いんじゃないでしょうか?
家に帰りたいみたいなんです。
緋山
そうだね。じゃあ、午後検査して、異常とかなかったら、明日の朝、退院ね。
付き添えるように、名取、明日休みに変えとけって白石に言っとく。
名取
お願いします。
スタッフステーションにて
白石
ねぇ、緋山先生。雪村さんそろそろ退院しても良いと思うんだけど。どうかな?
緋山
あー。それなら、さっき名取と話して、これから検査して、異常なかったら、明日朝、退院。
白石
そしたら名取先生は明日休みに変えとくか。
緋山
よくわかってる。
冴島
盗み聞きしてたんじゃないですか?
藤川
おいおい。白石そんなことしたのか?
白石
いや、してないけど?
冴島
冗談が通じないの??
藍沢
ほんとに。最悪だな。
藤川
んだよ。。。みんなそろって。
白石
笑笑
緋山
じゃあ、検査室予約とってくるわ。
藤川
いってらっしゃいー!
藍沢
俺はこれからばあちゃんと墓参りに行く。そのために、午後休みとったから。
白石
そっか。今日命日だね。
気を付けて。
藍沢
ああ。、
名取
俺、雪村の様子見てきます。
心配なんで。
冴島
来る前に見に行ってませんでした?
心配性ですね。でも、藤川先生とは違って、時間ができたらじゃなくて、時間を作るところが優しいですね。
名取
いえ😳💦
そのころ雪村は
雪村
ねぇ、横峯先生ー。気持ち悪くて吐きそー。
横峯
はいはい。雪村さん、つわりひどいんだね。
雪村
そーみたいだね。なんも食べたくないわー。
名取
そんなこと言うなよ!
雪村
あー。名取先生。10分前に来たばっかじゃん。
横峯
じゃあ名取先生助けてあげて。
じゃあねー!
名取
えっ。、あ、うん。
雪村
トイレ行く。
名取
えっ。、トイレ!?

横峯ーーー!!
名取
トイレは助けられねー。
雪村
はいはい。結局できないのね😅
横峯
わかったよ。行こ。
名取は再びスタッフステーションに戻り、緋山に相談していた。
名取
あの、緋山先生、雪村、つわりひどいみたいで、ご飯食べられないって。
緋山
そっか。ひどいんだね。
ちょっと様子見に行ってみる。
白石
いってらっしゃい。
名取
俺もいきます
雪村の病室で。
緋山
雪村、つわりどんな感じ?
ひどい?
横峯
緋山先生、お昼ご飯食べる前までで、朝から4回嘔吐しています。朝ごはんは、ヨーグルトのみ。食べたものを、すべてもどしています。
緋山
そっか。あんま食べれてないんだ。
食べれそうな食材とかある?
雪村
うーん、ヨーグルトはダメでした。全部もどしました。リンゴは食べられました。
緋山
りんごか。何で妊婦ってリンゴ食べれるんだろう。他は?
雪村
飲み物は全滅です。唯一口にできる飲み物は味噌汁です。
緋山
味噌汁ね。了解。
緋山
10分後検査だけど、行ける?
雪村
大丈夫です。いけます。
名取
俺も付き添わせてください。
緋山
わかった。いいよ。
10分後だから、もう行こう。
担当医、私だから、一緒に行こう。
雪村
お願いします。
検査室にて
緋山
今何週だっけな。
名取
12週です。
緋山
そっか。妊娠初期だから、流産の可能性も否定できないから、まだ、注意してね。
なんかあったら、連絡くれれば良いから。
名取
初産だと、検診で異常が見つからない事もあるんですよね?
緋山
なんか詳しいね。
名取
藤川先生と冴島さんに、教えてもらいました。先輩なので。
緋山
そっか。その可能性も否定できない。
で、食べれるものをきちんと食べることね。
雪村
はい。
緋山
じゃあ後で検査結果、病室に伝えに行くわ。
雪村
ありがとうございました。
緋山はスタッフステーションに戻り、名取、雪村は病室へ帰っていた。
緋山
ねえ、白石。これ、雪村の検査結果なんだけど。体重、もう少し増やさないとだよね。
白石
そうだね。雪村さん、つわりひどいんだっけ。
食べれてないからかな。
緋山
そうかも。栄養点滴、した方が良いか。
でもそうなると、退院は…
白石
できるよ。家でやってもらえば良いんだもん。家族か、医者だけが医療行為できるけど、名取先生、どっちでもあるからさ。
緋山
そうだね。そうなると、当直は厳しいね。夜は体調変わりやすいし。
白石
そうだね。名取先生はしばらく、日勤だけにしようか。
緋山
伝えてくるわ。
緋山
(これだと本当は退院しない方が良いかもしれないんだけどな。)
雪村
あっ、緋山先生。
どうでしたか?検査結果。
緋山
うーん。赤ちゃんは元気。問題ない。
ただね。。
名取
ただなんですか?
緋山
雪村に問題が。
緋山
体重が前より落ちてるの。このままいると、いずれ、母体に残った栄養がへって、胎児にも影響が出てくる。
名取
食べられないからですか?
緋山
まあそんなところ。
それで、提案なんだけど、入院を続けて、食べれるものを食べながら、栄養点滴をする。
それか、退院はして、2日に1回、病院に来て点滴を受けながら、家で食べれるものを食べる。
体への負担を考えると、私は退院には反対する。二人で考えてみて。
雪村
入院続けます。
何が起こるかわからない。
緋山
わかった。そしたら、明日から、点滴始めよう。
今日はゆっくり休んで。
名取
ありがとうございました。
緋山
あー。ちょっと早いけどもう名取上がっていいよ。
名取
おつかれさまでした。
緋山はスタッフステーションに帰った。
緋山
やっぱり、雪村、入院続けることにしたみたい。不安みたいだし。
白石
そっか。名取先生も心配だね。
緋山
あー。もうあと10分だったから名取上がらせた。
白石
わかった。

プリ小説オーディオドラマ