私の名前はいつまでも夢を見続けられる子であるように、と両親がつけたらしい。
この名前の通り、私は夢を見続けている…
「おはよう!」
いつもと同じ朝、同じ教室、少し違うのはみんなの寝癖、平和な1日の始まり。
私ユメは、この友田高校の2年生。高校生活もあと半分になろうとしている。
「ユーメっ!おはよーん!」
この子は私の大事な幼なじみ、のぞみ。
明るくて優しくてオシャレで、私といつも盛り上がってくれる子だ。
「…はよ…」
この無口っぽい男は奏(かなで)顔はかっこいいんだけどな〜、少しもったいないやつ。
本当に私は幸せに暮らしていた。
あの事実を知るまでは…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!