夏休み私(ユメ)の高校では文化祭の準備が行われる
私のクラスはメイドカフェをすることになった
「わー!ユメかわいい!!」
「ユメーご主人様って言って〜笑」
フリッフリのスカート、絵に描いたようなメイド服に身を包んだ私はみんなの中心にいた
「ねーっ!奏はどう思うーっ?笑」
私はふざけ半分で奏に聞いたんだ、
──「お前なんかが着ても豚に真珠になるだけだろ」
イラッときた、なぜだか分からないけど
「もういい、奏って何考えてるかほんっとわかんないし。私も話さないから。話したくない。」
(なんでこんな事言っちゃったんだろう。本当は昔みたいに話したいだけなのに─。)
私はのぞみにその日あった事を話した。
少しおもしろ半分で。当然笑いながら「しょうがないなぁ笑」って言ってくれると思った。
「ユメ奏くんの事好きじゃないんだったらさ、私が告白しても、いいよね?」
驚いた。私はずっとのぞみと一緒にいたのに、奏のことを見ていたなんて気付かなかった。
「え、いいんじゃないの?w なんで私に聞くの〜、のぞみの事ずっと応援してるよ!」
「じゃあ今告白してくる。」 「えっ?」
(いや!唐突すぎるよ!のぞみ!)
「とりあえず、ユメは30分後に来てくれないかな??」
「う、うん」
私に出来るのはこの教室から出ていく事だけだった。
──30分後
ガラッ─緊張しながら教室のドアを開けた。
まず目に入ったのは泣き崩れたのぞみの姿だった。
「ふら、れちゃったよ。」
ユメは親友にかける言葉を探していた
その時だった
「ユメってさ、夢を現実にできるんだよね」
唐突に告げられた言葉
そこにいた親友は別人のような顔をしていた─。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。