第85話

「 七 夕 。」s/r
55
2021/07/07 11:51
Root
織姫と彦星になんてなりたくはないよ ニコッ
そう言ってくれた君に会いたくて.

元気な姿を見せて欲しくて.

今年も大型ショッピングセンターの笹の葉に

淡い黄色の短冊を飾る.

子供染みてる、と言われてしまうかもしれないけど

それでもきっと来年も、るぅとに会えるまで、、、

私は短冊を飾り続けるだろう__.












_____________________

私が,るぅとに初めて会ったのは中学校の時.

地元の小学校数校の生徒のほとんどが入る、

エスカレーター式のような中学校で

小学校で仲の良かった友達とは 同じクラスになれず,

スタートダッシュに失敗していた私に話しかけてくれたのが始まりだった.

それから音楽、という共通の趣味について

深く語り合ったりもした.


__


そんな私たちの関係が変わったのは卒業の日.

高校は別々のところに行く予定だった故に

この関係も今日までなんだろうな、

と思っていた時に、
Root
僕と、付き合ってくださいっ
と言いながら,

まるでアニメのように右手を差し出してきた.

もちろん答えは、
you
喜んでっ!!!
良い感じの雰囲気になる事は多々あったものの

そんな気配ひとつも無かったからこそ

きっと無理だと思い込んで,

現状維持の関係を続けてきたもののるぅとの言葉によって

私達の関係は良い意味で卒業の日に終わった.



違う高校ながら下校時はほぼ毎日一緒に

寄り道したりしつつも帰路を辿り,

休みの日には遊園地に行ったりと

幸せな日々を送っていたが,

新たな人生の岐路に立つ事になった年の冬、

突然るぅとが
Root
僕、東京に行く.
と言い出した.

このままずっと一緒に居れると思ってた.

私にとって,その発言は 大きな衝撃だった.

話を聞くと音楽をより極めたい、という旨らしい.

私だって音楽は好きで

そういった音楽系の職に就きたいとは思っていたけれど

彼がその決断をした事に対して

嬉しさ半分、何故少しでも相談してくれなかったのか、

という悲しさと怒りのまざったようなやるせなさ半分.

そんな気持ちを読み取ったのか、

慌てたように続けてるぅとが口を開いた.
Root
やっぱ、無理かな、、、
、そんなの言われたらずるい.

認める他ないじゃないか、
you
そんなこと、、そんなことないよ、
夢をしっかり持っているのに

彼女という存在が重荷になってどうするんだ、

自分に強く言い聞かせるように言葉を放った.

その答えを聞いてか、嬉しそうに優しく微笑むと
Root
立派になれたら、迎えに来るからねっ、
と言ってきた.
you
絶対来なかったら許さないから、っ
こんな方法でしか伝えられない自分に嫌気がさしつつも

満足そうなその顔を見ているだけで

気持ちが楽になった気がした.






__





それからというもの,お互いの目標に向かって進んで行った.

るぅとは音大.

私は地元の中でそこそこいい大学.

違う高校だからこそ,意図せずに会うなんて事はなくて

集中出来る環境が自ずと出来上がっていた.

気付けば最後のメッセージは

あの日の,「話したいことがあるんだけど大丈夫かな、?」で終わっていた.

携帯の通知が鳴る度にるぅとからかな?

なんて喜んでは,違う、と悲しくなってを繰り返していた.






__







気付けば寒い寒い冬を乗り越え柔らかな春の日差しが照っていた.

私たちはそれぞれ、第一希望に無事合格.

るぅとは東京へ行く日になっていた.
you
今日、か、、、
なんて誰にも届かないような声を鏡の前で小さく零す.

最後の印象は明るくいたい.

そう思い,昨日思う存分泣いたが為の

目の腫れを隠す様にメイクを施す.

好きな人の前ではかわいくいたいし、、、なんて.

you
よし、
と両頬を鼓舞するように叩き

待ち合わせ場所の駅へ向かっていった.

__

待ち合わせ5分前.

既にそこにはもうるぅとの存在が、、、
you
るぅとっ!!!
と勢いよく話しかけると
Root
うわっっ
と予想通りのリアクションをとってくる.

計算高いのか、天然なのか、、、
you
最近どうしてる、?
から始まった会話.

半年以上のフランクを感じさせないぐらい

弾む会話に内心驚きつつも間を埋めるように沢山話をした.

この前のテレビが面白かった、とか

小さな種でも話を実らせていく.

時の流れは恐ろしいもので楽しい時間はあっという間.

腕時計に視線を落とさなきゃ良かった、

気づかなきゃ良かった、なんて

醜い感情に支配されてくる感覚を

払うようにぎゅっと握りこぶしをつくる.

、、、応援するって決めたんだ.
you
もーそろそろ、だね.
Root
、うん
暗くならないように、出来るだけ明るく、、、
you
久しぶりに話せてすっごい楽しかった!!
そう言い,そっと笑みをつくる.

上手に笑えてるかな、
Root
うん、僕も楽しかったよ.
安心する優しい声で言い,微笑んでくれる.
you
東京でも,頑張ってね、
泣くな.

泣いたら全部が終わる.
Root
もちろん、!
Root
あなたこそ頑張ってね!
明るいその笑いが心臓をぎゅっと握ったように

大きく波打つ鼓動.

最後まで、好きにさせて、、、

ほんとそーゆーとこずるいな、
you
うん、!
you
るぅとに負けないぐらい頑張るからっ
こんなんで精一杯.

もう少し話してしまえば涙が零れ落ちそうだ、
Root
有名になって,絶対戻ってくるから、、、
Root
だから、、それまで待っててね、
なんてことを言うんだろう.

思えばいつもそうだった.

天然でおばかなくせに,言葉でどれだけ救われたか.

頬を涙が伝いはじめる.
you
あーぁ、泣かないつもりだったのに.
嫌味ったらしく言ってみる.
you
でも、そのるぅとの言葉に
何回だって助けられてきたから、、、
you
きっとたくさんの人を幸せに出来る音楽を
作れるようになるから、、、
Root
うん、
you
ずっと待ってるから、、、
you
頑張ってきて、!!!
せっかく頑張ったメイクももうぐちゃぐちゃに

なってしまったのだろうか.なんて思えるぐらい、

とめどなく溢れ続ける涙に負けないぐらいの

笑顔を向ける.

そっと頭が撫でられる.
Root
絶対,沢山の人を幸せにしてくるね、
喋る力すらないぐらいで頷いて聞く.
Root
ずっとずっと、大好きだからね、
と言ったと同時にプシュ-と聞きなれた音がなり

電車は走り出して行った.

どこまでも、ずるい.

そんな言い逃げされたら、、、

と思いつつも走っていった方向をただ眺め続けていた.















_____________________

甘酸っぱい私の青春から早4年.

近くの大型ショッピングセンターへ足を運ぶ.

身長が伸びても好きだったイベント事.

小さい子よりも子供っぽく,身長を生かし

誰よりも高いところに飾った短冊.

思い出して笑いが込み上げてくる.

そっとペンと短冊をとってスラスラっと書く.

、、、いつまでもここに居るのは恥ずかしいし、ね.






『沢山の人を幸せにして戻ってきてくれますように.』









そっと頂点に括り付ける.

フワッと短冊が揺れる.

まるで「きっと叶う」とでも言われているようだった.




























_____________________

七夕から数日.

大きなキャリーケースを転がしてきた大好きな人.
you
え、、、
人間、嬉しさより驚きの方が強いらしい.

思わず漏れる声.

そんな私を見てかあの日と変わらぬ笑顔で
Root
ただいまっ!!!
と言う君.

待ってて良かった、と心の底から思ったなぁ、、、

なんて思いながらそっと写真を手に取る.

左手の薬指には光る指輪があった__ .


                      ℯ𝓃𝒹








_____________________

んん、時間軸はちゃめちゃ🤦‍♀️

久しぶりすぎて感覚が、、、(

元々去年書こうと思っていた七夕話のリメイク.

本来はがちの織姫と彦星のお話を書こうとしてたものの

難しすぎて放置に放置を重ねてたのです😌

はぴえん自体数億年ぶり過ぎておかしくないですかね、

綺麗なばどえん大好きおばさんなので不慣れです(

おかしい文も大目に見てください🙃

全盛期よりは投稿ペースが落ちるものの

ちょくちょく再開してこうと思います、!

不束者ですが改めてよろしゅう頼んます🙇‍♀️🙇‍♀️

ここまでの閲覧ありがとうございました、✨

良ければ,はーとには火を灯し、お星さまには輝きを、、!

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