第6話

公園
61
2018/02/24 01:33
私は母へ贈る薔薇を片手に持ち

ブランコに乗った。




小さな男女の子供が,砂遊びをしている。

それを優奈はジッと見つめている。
優奈
また駿佑とあんなふうに遊びたいのに。
私の頬を何かが濡らした。
数時間後。
駿佑
おい,何やってんだよ。
優奈
えっ?
私の頭上にはいつも
駿佑がさしている傘があった。

駿佑の左肩はびしょ濡れになっていた。
優奈
何でここに!?
駿佑
優奈の母ちゃんから連絡あって
お前のこと,ずっと探してたんだからな
駿佑が手をさしだした。
駿佑
ほら,行くぞ
私は駿佑の手を握ろうとした




でもその時,
左手にあった薔薇がないことに気づく。

母にあげるはずの薔薇は

地面に落ち,砂まみれになり
悲惨な姿に変わっていた。
私はそのしなれた薔薇をかかえ
駿佑と自宅へ向かって歩き出した。
駿佑
ほらっ,中入れよっ
久しぶりの相合傘だった。

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