第3話

知られたくない
73
2020/03/02 02:08
今日は学校を休んでしまった。これだと風華に怪しまれてしまいそうだ…
母親に頼んで、癌だの盲腸だので入院してるって嘘ついてもらうかな。
少なくとも、明日も学校には行ける気がしない。
真奈美
真莉。雛子ちゃんから電話来てるけど、お母さん出た方がいい?
本当に母親はいつもいつも余計なことをしようとする。まあ、世間でいう毒親ってやつじゃないだけ私はましなのかな。
真莉
やめて。私が出るから携帯貸して
そうやって私は学校にいる時と同じように口角を上げて、弾んだ声を出して答えるんだ。
そう、私は私でいなきゃいけないから。
真奈美は横で心配そうにプライバシーを侵害してまでこちらの会話内容を聞いてくるので、「聞かないで」とでも言うように自分の部屋に携帯を持って行き扉を半ば八つ当たり気味に閉めた。

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