〜あーるん。said〜
そろそろ彼女が亡くなってから1年経とうとしていた。
記念日にあわせて彼女に「あい」に行こうかな。
なんてことを考えていた。
___記念日当日___
最寄りから何駅か先の墓地に彼女のお墓がある。
到着を予定していた時刻になり、俺はやっと彼女の前に立つことが出来た。
そう呟いていた。
するとどこからか声が聞こえた。
辺りを見渡してみると、
そこには……………
そこには、俺の彼女が立っていた。
俺は涙声になって言った。
多分今にも涙が出そうになっていると思う。
彼女はにこにこしながら言ってきた。
久しぶりに聴く声は優しくて、どこか寂しい感じがした。
そう言った彼女は満面の笑みを浮かべていた。
久しぶりにその顔を見たがやっぱり好きだった。
そう言った彼女は泣きそうな顔をしていた。
そのときの彼女はとても強い顔をしていた。
でもどこか寂しそうで、だけど優しい顔をしていた。
すると彼女の体が光り輝き、透けていった。
そう言って彼女は完全に消えた。
最後まで綺麗に消えていった。
俺、ちゃんと周りを見てみるよ。
新しい恋するよ。
だから、ちゃんと見てろよ!
たくさん笑顔見せてやるから!
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。