〜あなたsaid〜
授業終了の鐘が鳴り、私は先輩のクラスに向かった。
先輩のクラスに着いたが、足が止まってしまった。
急に行ったら先輩の迷惑になってしまうんじゃないかと思うと、足が進まない。
すると、頭にふっとある記憶が戻ってくる。
『居ていい、むしろ居てほしい。』
そう言われたことを思い出し、大丈夫かな?と思いつつも先輩の名前を呼んだ。
正式に友達となったので呼び方を変えようという話になり、先輩は私を呼び捨てにすることになったのだ。
私は気づかなかったが、周りから見れば仲良くしてるように見えるようだ。
嬉しいようで恥ずかしいような感情でいっぱいになり、どうしていいか分からない私は顔を赤らめるしか出来なかった。
強く付き合ってないと好きな人に言われて、嬉しかった気持ちは一瞬で消えて、瞬く間に悲しい気持ちでいっぱいになった。
気づいた時には頬に冷たいものが流れた。
結構な失礼をしてしまったと思っていたが、ぽちいぬ先輩は許してくれた。
優しいな〜と思っていたときぽちいぬ先輩から爆弾発言が出てきた。
ぽち先輩という可愛い呼び名ができてちょっと嬉しくなっていた。
その場に私とぽち先輩以外にも人がいたことを忘れて。
急な大声にびっくりしたがそれを上回るぐらいの爆弾発言が耳に入った。
あのあーるん。先輩がそんなことを言うなんて、信じられない。←
2人だけの秘密のようで自分で言ったものの
とても嬉しかった。
先輩があんなことを思っていたとも知らずに。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。