月が欠けていく現象を目の当たりにした4人は町の中心にそびえる神殿へとやって来た
敷地に入ると正殿の前の広場に神殿の人らしき2人の女性が立っていた
雪)お待ちしておりました。
黒髪の女性が4人を出迎える、
里)待っていたとは?
椿)此度の月蝕をご覧になられたのでしょう。
白い髪の女性が空を見上げて言った
志)月蝕?あの現象の事だろうか?
椿)そう、月が欠けていく現象の事...
里)貴女たち2人はいったい...
雪)申し遅れました、私は「雪」左の塔
「フルーナ」の神官をしております。
椿)私は「椿」、右の塔「セレアス」の神官
里)女神の神官でしたか、此度の月蝕?は女神の意思なのでしょうか?
あくまでも冷静を装いながら尋ねる
雪)それは、私たちにも分からないのです。
翼)なんでだよ、女神の声を聞くのが神官だろ!
志)やめろ、翼。
椿)そう、言われた通り女神の声を聞くのが私たちの使命。
雪)ですが、その「声」が聞こえないのです。
椿)「声」が聞こえない、それは女神の力が弱くなってる証。
里)それは、大丈夫何でしょうか?
雪)残念ながら、このまま女神の力が削がれれば最悪な事態を招きかねません。
椿)私たちが貴方たちを待っていたのはそれを警告する為。
大)警告?
雪)最悪の事態、それは...
雪&椿)「ディアブロの箱」か開く事。
椿)箱が開けば、世界に災厄を振りまく99の悪魔が解き放たれる。
雪)「ディアブロの箱」は2人の女神の力で封印されているのですが、このまま女神の力を無くしてしまうと。
椿)間違いなく、箱は開く。
翼)その箱はどこにあるんだよ、まさか場所も分からないとか言わないよな?
雪)「ディアブロの箱」その在り処は、
椿)この国の王城の地下深く....
里)なんだって...
2人の神官に告げられた最悪のシナリオ、
その元凶である「ディアブロの箱」は
王城の地下にあると言う.......
ツキノ神皇国王城ーーー
王城の地下深く、王家の者しか知らぬその部屋で
王はゆっくりと箱に手を掛ける、そして...
箱を押し開けた、箱から赤い光が天に向け突き抜ける、
今、99の悪魔が解き放たれようとしていた。
つづく
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。