第5話

壊れてく心
62
2023/09/15 03:34
どんなに辛いことがあっても、明日はやってくるんだね。

私の気持ちなんて無視。

本当に神様は残酷だ…。


いつまで私はこの苦しみと闘わなければいけないの?

このまま生きている価値なんてあるのかな?

時々そう、神様に尋ねてみたくなる。


でも、今日これから先のことなんて誰もわからない。

未来は変えていけると信じたい…。


私の名は「未来」

この名はお母さんがつけてくれたらしい。


最初は名前の由来なんてどうでもよかった。

でも、いつかお母さんは話してくれた。



ーーーこれからの人生、未来が、どうか光輝きますように…。そう思いを込めてつけたのよ


それを聞いた時、今まで感じたことのない気持ちに襲われた。


普段何気なく呼ばれていたこの名前が、突然素敵な響きに聞こえた。


お母さんから由来を聞いてから、自分の名前が好きになった。


両親に大切に…愛されて育った私。


本当に幸せだったよ…?


ごめんね…。

こんな私を大切にしてくれたのに、体に…心に傷を負ってしまって…。


天国に行ったら、どう顔合わせしよう…?

私、親不孝だね。

ダメな娘だね…。


私は上司の期待に応えたいの。

みんなにいじめられても、心をズタズタに傷つけられても。


決して諦めないと…。


そりゃ耐えられなくて涙が出ちゃう時もある。

ううん、毎日のように泣いてしまう。

だけど、泣いて塞ぎ込むだけじゃダメ。

泣くだけ泣いたら、また、立ち上がって前を向くんだ。

自分を信じて。

みんなを信じて…。
愛沢未来
愛沢未来
さて…そろそろ学校に行かなくちゃ
独り言のようにそう呟き、私は支度を始めた。


髪を梳かすことは、心を磨くこと。

制服をきちんと着てリボンをきちんとしめることは、前向きに生きるための合図。

今日の私は、昨日までの自分とは違う。

昨日より今日、今日より明日…と。

私は日々成長していくんだ。
愛沢未来
愛沢未来
よしっ…今日も笑顔で元気よく!頑張るぞ!
いつか両親が私の誕生日プレゼントに、とくれた写真入れ。

そこには家族みんなで撮った写真が入っている。

それをお守りのようにぎゅっと握りしめて、玄関のドアを開けた。

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