バタン。
部屋のドアを閉め、いつものように勉強机に向かう。
明かりも照明だけにして、薄暗い空間で…。
まるで今の私の心の中を表しているかのよう。
え?今から勉強するのかって?
まさか…。
こんな沈んだ気持ちで勉強しても、絶対捗らない。
机に向かってすることとは、アレしかない…。
机の引き出しから、1冊の日記帳を取り出す。
そう、私は毎日日記をつけている。
その日1日の出来事。
自分の思いや願い…。
日記を書いてる時だけは、無心になれた。
ここには自分の思いをぶつけられる、誰も悪く言う人なんていない。
一時の幸せを感じられるから…。
この日記には何を書いても許されるの。
普段言うことすら許されない、私のこの気持ちを。
辛くて苦しい心の叫びを…。
私はいつものように、お気に入りの万年筆を手に取り、記入していく。
今日の日記帳を書き終え、再び引き出しにしまう。
こうして日記に文字として自分の訴えを出すことで、苦しみから解放された気がした。
明日こそは大丈夫だよね?
朝教室に入ったら…
「おはよう!」
そう言って笑ってくれるよね…?
自分に言い聞かせながら、私はいつの間にか眠ってしまったーーー。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。