第4話

地獄日々③
36
2021/08/11 13:23
バタン。


部屋のドアを閉め、いつものように勉強机に向かう。

明かりも照明だけにして、薄暗い空間で…。


まるで今の私の心の中を表しているかのよう。


え?今から勉強するのかって?


まさか…。


こんな沈んだ気持ちで勉強しても、絶対捗らない。


机に向かってすることとは、アレしかない…。


机の引き出しから、1冊の日記帳を取り出す。


そう、私は毎日日記をつけている。


その日1日の出来事。


自分の思いや願い…。

日記を書いてる時だけは、無心になれた。

ここには自分の思いをぶつけられる、誰も悪く言う人なんていない。


一時の幸せを感じられるから…。


この日記には何を書いても許されるの。


普段言うことすら許されない、私のこの気持ちを。

辛くて苦しい心の叫びを…。


私はいつものように、お気に入りの万年筆を手に取り、記入していく。

日記帳
〇月×日 晴れ

今日もクラスのみんなからいじめられた。
みんなが私のことを、汚い目で見てくる…
金本さんからの嫌がらせが、一番精神的に参る…

暴言のみならず暴力までしてくるのだから…
みんなは知らないでしょう?
あなた達が暴力してくる度に、私の体はボロボロになってくる
赤紫に染まった痣もまだ消えていない…
あなた達が暴言を吐くたびに、私の心のガラスは砕け散っていくの
傷ついて…胸が痛いんだよ


この苦しみ…みんなにわかる?
一生わからないでしょうね

でも私は信じてる
みんなのことを信じたい
いつか私のこと、クラスメイトとして認めてくれるってことを…
私だってみんなと仲良くしたいだけなんだよ?
お願い、私の心の叫びに気づいて

どうか明日はみんなと笑い合えますように…
今日の日記帳を書き終え、再び引き出しにしまう。

こうして日記に文字として自分の訴えを出すことで、苦しみから解放された気がした。


明日こそは大丈夫だよね?

朝教室に入ったら…

「おはよう!」
そう言って笑ってくれるよね…?


自分に言い聞かせながら、私はいつの間にか眠ってしまったーーー。

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