第7話

#5
5,521
2021/03/03 08:00


そして……時はやってきた……!



あなたとのデートぉぉぉぉ!!!!
(違います)



ウキウキルンルンな気分であなたを待つ。



色んな人にすっごい見られたけど気にしなーい!



小さく鼻歌を歌いながらあなたを待っていたら、校舎内から女神が現れた!(?)



『棘くん……!ごめ、待った?』




「かわ……!お、おかか!すじこ!」



あっっっぶねー!!!



可愛い、っていうところだった……



「ツナ、いくら!しゃけ!!!」



おにぎりの具で彼女を精一杯褒める。



『えっ…かわいい……!?』



ぼふん!と顔を真っ赤にするあなた。可愛い。優勝。好き。結婚しよう←



「しゃけ!高菜!」



『わ、分かった!ありがとう棘くん!もういいです…!』



かわいいいいいいいいい!!!!!



あなたの服装は、薄ピンクの可愛らしい上の服に黒いレースが纏っているロングスカートだった。



あなたって意外と黒色好きだよね…ギャップ萌えたまらんんんん!!!←



『じゃっ、早速行こっか!』



「しゃけ!」



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「ちょっと…何あれ青春じゃん。やだパンダときめいちゃう。」



「なんでお前がときめくんだよ…」



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やってきたのは高専からそう遠くない映画館。



人もそう多くはなかった。



『えーっと…私たちが見る予定の映画は…』



どこかな〜…と、予定表を見て探すあなた。



「高菜!すじこ!」



『あっ!ホントだあった!見落としてた…!』



oh......…可愛い……



パンダから貰ったチケットは今話題の恋愛映画だった。



う〜わ…絶対狙ったでしょパンダ。



笹、半年分オマケしておこう。



2人分の席を予約して店員さんにお金を払う。



「カップルですか?お似合いですね〜!」



キャー青春!と、黄色い声を上げる店員の女性。



「つっツナ高菜!おか、か……!」



そうなるつもりだけどね!!!←え?



今はちゃいます!!!今は!!!



『かっ!プルじゃ、ない、です……』



プシュ〜〜…と赤くなって萎むあなた。



あ"、可愛い。いぃ、可愛い。う"ッ、可愛い。え"、可愛い。お"ぉん可愛い。



「え〜お二人共美男美女でお似合いなのに!」



まぁ揶揄うのはこのぐらいにしておいて、と店員さんが呟いた。



「お飲み物などは要りますか〜?」

 
『ジュースかぁ…棘くんは飲みたい?』



「おかか、すじこ!」



数回かぶりを横に振ってからポケットに手を入れ、ノドナオールを取り出した。



『そっか!じゃあ…オレンジジュース1つお願いします。』



「はーいオレンジジュースですね!460円になります〜!」



あなたがカバンに手を伸ばした。



今だ!!!今こそパンダ様にお教えしてもらった秘伝の技(?)を使うべし…!



俺はすかさずあなたの手に自分の手を重ね、動きを止める。



『えっ…!?』



「(うわっ青春だぁ〜…)」



あ、照れた。可愛い。優勝。好き。



「おかか!高菜、しゃけ!」



俺が出すからあなたはお財布しまって!と、伝える。



『そんな…駄目だよ!私が買うんだから私が払わないと!』



「おーかーか!高菜、明太子?」



『う…俺も男だから、って…そうだけど…』



「(お!いけいけおにぎりの少年!)」



なんとなく店員さんが言ってることがわかる気がする←



狗巻棘、頑張るぜい!



「すじこ、昆布!」



あなたのお財布を鞄に戻そうとする。



『だっ、ダメ棘くん!私が払うの!』



うぅ〜…カッコつけらんない!



俺がお金払ってカッコつけたいのに!



そこで、あなたが提案した。



『じゃあさ棘くん!ポップコーンも買お!』



『ポップコーンの方は2人で出し合おう?』



そうすればお互いに非はないよね!と、キラッキラの笑顔を向けてくる彼女。



「しゃけ!!!!!!!!!!!!!」



こんな可愛い笑顔に逆らえない!





まぁ逆らう奴が居るならば消すけど(黒笑)



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「あ〜…俺が棘に教えた秘伝の技が破られたか〜…」



「棘の野郎、あなたに甘々じゃねーか。」




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映画が終わりに近づいてきていた。



大きなスクリーン上で2人の男女が何か話している。



が、俺の目線はあなたに釘付けだった。



あぁぁぁ横顔も可愛い……



あなたは映画に夢中で、俺の目線に気づいてなかった。



やっぱ女の子ってこーゆー恋愛映画が好きなのかな〜



それからボケーーーっとあなたに見惚れていたら、いつの間にか映画が終わっていた。


『ぅ…いい映画だったね…』



「しゃけ!」



感動したのか、少し涙目のあなたにハンカチを貸す。


持ってて良かったあ!



『か、貸してくれるの…?』



「しゃけ…!」



『ありがと棘くん……!』



あなたの細い指が俺の手からハンカチを受け取る。



そして数回目元を拭いたあと、



『こ、これ!洗って返すね…!』



急に顔を赤くしてそう言った。



え、いいのに…と言おうとしたが、あなたが可愛くて言えなかった。



あと、そしたらあなたの柔軟剤の匂いも嗅げるし(((



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「おい棘アイツ、映画見てねぇのにしゃけって言いやがったぞ。」



「まぁまぁまぁ。良いじゃねえか真希。俺らは保護者(の気分)だぞ?見守ろうぜ。」



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あなたと2人で駅まで歩く。



普通の高校生活で彼女がいたら、こんな感じなのかな〜…



とか、隣にいるあなたを見ると思ってしまう。



歩いていると、急にあなたが声を上げた。



「??? ツナ?」



『ねぇねぇ棘くん!あそこの雑貨屋さん見てきてもいいかな?』



あなたが指したのは少し前の方にある小さな雑貨屋さんだった。



「しゃけ!昆布!」



俺も行く!と言い、あなたと雑貨屋さんに入る。



店内は大人っぽく落ち着いた雰囲気を纏っていた。



あなたは迷うことなく真っ直ぐに歩く。



どこに行くんだろう……と内心首を傾げていたら、『あった…!』とあなたが感動の声を上げた。



『これみて棘くん!』



あなたがキラッキラな笑顔で見せてくれたモノは……………















「…ツナマヨ?」




















小さな、おにぎりのストラップだった。



『そう!ツナマヨなの!』



ストラップがあった棚の方へ目を向けると、そこにはツナマヨ以外の沢山のおにぎりの具が詰まったおにぎりがあった。



「高菜ぁ……!」



『ふふっ。昆布もいくらもあるんだよ!』



話によれば、あなたは以前、任務でここの街に来たことがあり、そこでこの店を見つけた…らしい。



それでいつか、棘くんをここに連れて行きたかったんだ!と、ちょっと顔を赤く染めて告げたあなた。



あっ、好き。お嫁に来て…



『ねぇ棘くん…棘くんが良ければ、の話なんだけど……』
































『ツナマヨおにぎりのストラップ、お揃いで買わない……?』





















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「お〜どったの棘wいつもに増してご機嫌じゃねえか。」



「しゃけ!ツナマヨ!すじこ!」



「お揃いのストラップぅ!?お、おま……!棘ぇ!やったじゃん!」



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『ど、どうしよ真希ちゃん…棘くん嫌だったらどうしよう……』



「大丈夫だって。棘だって嫌な顔して無かったんだろ?なら大丈夫だろ。」



『わぁ……真希ちゃんイケメン…』





「(早く付き合え鈍感組!)」






✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


棘くんとデートしたい(切実)
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