『 kuna side 』
「馬鹿すぎへん?」
さとしのたった一言で、18歳組(1部除)の勉強会が始まった。
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「....まさと、もっと頭悪くなった?」
「っるせぇ!!」
まさと、3年前ぐらいはここまで頭悪くなかった気がする。
それよりも、18歳組、頭が悪い人達が多くて困っちゃう。
まさとも、ゆーもとーまも頭が悪すぎる。あつひはまぁまぁって感じでこうは頭良い。
なのに、今日に限って荒船隊と鈴鳴第一は防衛任務。
「とーま、そこ違う」
「なんで、こんなんも分からへんねん。」
私とさとしの2人ペアで、テストに備えるという話なのだが、覚えが悪いまさとやゆーは本当に基礎の基礎から教えないといけない。
とーまはある程度理解はできるが、感覚派のため途中で投げてしまっている。
さとしが段々といらいらしてきたところに、風間隊の2人がやってきた。
「りょう、しろー。」
「うげっ、あなた先輩.......」
「こら!!菊地原!あなた先輩すいません!」
「りょうは悪くないよ。しろー??私先輩、な??」
ニコニコ笑顔でスコピを持って近づくと、しろーはりょうを盾にしやがった。
最低だな、仲間を売るとか!!!
「それより、先輩方何してるんですか?」
死体が3体があるところを指さしてりょうがそう言う。
それを見たしろーはめちゃめちゃ嫌そうな顔をしていた。そーやさんとけいのことを思い出したな。
「こいつら、テストやっちゅうのになんもしとらんねん。アホやから。」
「だから、私とさとしのペアで教えてあげてるの。」
「鬼コーチペアじゃん。」
しろーが言うには、私とさとしが合わさると毒舌すぎて死ぬ、ということ。
さとしは確かに毒舌だけど私は毒舌じゃないもん。
「歌川、早く行こ。ここにいたら俺達も巻き込まれそう。」
「お?なになに、勉強会する??」
「するわけないでしょ、馬鹿なの?」
「こらッッ!!」
イラっとして手にあった教科書を持って、とーまの頭をベジっ!と叩く。
そんなことを言っていると、前の方からじゅん先輩に呼ばれているりょうとしろー。
それに気づいた二人も、一礼をしたあとすぐにそちらにむかっていった。
「あなた.......俺の扱い雑じゃねぇ?」
死体の方から話し声が聞こえてくるっとそちらを見てみると、顔を真っ青にした3人がいた。
ちなみにその後、勉強会が2時間ほど続き、死亡者が3人でたらしい。
鬼コーチペアはもう二度と集まらせるな、とも口約束が交わされたそう。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。