第3話

第二章 立候補 by,珠莉
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2019/01/14 09:51
先生
次の授業で学級委員と係活動の役割分担をするぞ。
休憩中によ〜く考えとけ!
3時間目の授業は役割を決めるそうだ。
(どうしよっかな…。)
そう思った時━━━。
良平
おーい、赤嶋!
珠莉(じゅり)
は、はいっ!?
って、なんだ木村くんか〜。
信彦
赤嶋ちゃんどうしたの?
明香里(あかり)
あっ!もしかして委員会とかの役割分担のこと?
さすが幼なじみの明香里。私の事なんてお見通しだよね…。
明香里はいつもそうだ。
中学校の頃のことだ。私が具合悪かった時も明香里が
明香里(あかり)
先生!赤嶋さんが具合悪そうなので保健室に行ってもいいですか!?
と言ってくれたし、リーダーから「これ、やってくれる?」と言われた時も
明香里(あかり)
ねぇ珠莉。それ、リーダーの仕事でしょ?
あの子リーダーとしてダメだよね…。全部、珠莉に押し付けて…。
よし、私も手伝う!その方が断然早いでしょ?
と言って手伝ってくれた。
私はどんなときも明香里に助けられた。いつも、いつも、いつも、…。
信彦
皆は何の仕事にする?
僕は、国語係にしようかな!
明香里(あかり)
私は音楽がいいなぁ〜!!
珠莉(じゅり)
私は数学…。木村くんはどうするの?
良平
俺も数学かな。数学の方が得意だし。
キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪
先生
お前ら、席に着け。
これから役割分担をする。
じゃあまずは係活動から決めるぞー!
国語係がいい人〜
信彦
はいっ!
各教科の係は2人ずつ。
(木村くんと一緒かー。明香里と離れたけど大丈夫かなぁ〜…。)
いつもは私と明香里でやってた。けど、なんか怖い…。
でも、せっかく木村くんと仲良くなれたからいいかな。
先生
次、数学
良平
はいっ!
珠莉(じゅり)
はい。
次々に係が決まった。
次は学級委員を決めないと…。
先生
学級委員やりたい人はいるか?
誰も手を挙げなかった。
(どうしよう…。ここで挙げないと皆の迷惑になる。)
珠莉(じゅり)
わ、私がやりまs…やりたいです。
良平
えっ?(小声)
これでいい。これでいいんだよ…ね。
後は男子のみ。
信彦
僕もやります。
先生
分かった。じゃあ、その2人でいいな。
(全員)はい。
先生
よし。じゃあ3時間目の授業を終わる。
次は数学だ。数学係は職員室に来い。
珠莉(じゅり)
起立。気おつけ。ありがとうございました。
(全員)ありがとうございました。
良平
赤嶋!職員室に行くぞ。
珠莉(じゅり)
あ、うん。
私達は職員室に向かった。
良平
お前さぁ…。無理してないか?
珠莉(じゅり)
えっ?
良平
なんつーか…みんなに迷惑かけたくないから、自分を犠牲にしてやってるみたいな…。
お前、本当は学級委員なんて嫌なんじゃないのか?
珠莉(じゅり)
…っ!!
なんでわかったんだろう。そんなに顔に出てたかな…。
珠莉(じゅり)
そ、そんなことないよ!
私は確かに学級委員なんて絶対やりたいわけじゃない。
でも、みんなの役に立てる仕事がしたい。だから学級委員になったの。
良平
そっか。ならいいけど…。
私達は職員室に着いたあとの帰り道、一言も話さずに黙々と歩いた。
(私…変なこと言っちゃったかな。)
私は彼を見た時、彼の顔は悲しそうで、どこか悔しそうだった。
(やばい。どうしよう…。)
何を話せばいいか分からなくなった。
結局、私達は何も話さず教室に戻った。

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