第25話

24 貴重なオフの有意義な使い方
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2021/03/22 02:41
~あなたside~



なんかすごい時間を無駄にした気分


午前中に掃除と洗濯とお昼ご飯作って…ドラマの台本覚えようと思ったのに!

もうお昼近いし…健人の実家にいる遥人のお迎えも行かなきゃいけないし!!



これも全て寝かせてくれなかった健人のせいだ!



中島健人
中島健人
ん…あなた…?
桃瀬
桃瀬
やーっと起きた。もうお昼だよ
中島健人
中島健人
まだねむい…
桃瀬
桃瀬
そりゃ、あんだけ身体動かせばね
中島健人
中島健人
だってあなたが可愛かったんだもん…
桃瀬
桃瀬
はいはい、早く顔洗って来て


のそのそとベッドから起き上がり洗面所に向かう健人
ホントは私だってまだ眠ってたいよ…




中島健人
中島健人
姫~♡おはよ♡
桃瀬
桃瀬
はい、おはよう
中島健人
中島健人
何してんの?

横からギューッと抱き着いてくる健人
今はちょっと邪魔しないで欲しいかな…


桃瀬
桃瀬
んー、台本覚えてる
中島健人
中島健人
そっか、撮影明日からだっけ
桃瀬
桃瀬
そうだよー
まあ、もうほとんど覚えたけどね


歌詞とかダンスもそうだけど、私は覚えるのは割りと早い方だと思う
その分、集中力が切れると一気に疲れる


中島健人
中島健人
ねえ…このセリフ…俺に向かって言ってみてよ
桃瀬
桃瀬
ぇ、これを健人に…!?
恥ずかしいんだけど…


台本を覗き込む健人の指先がある一節をなぞる

1話ラストのすごい盛り上がるシーン
撮影だったら役に入り込むから恥ずかしさは無いんだけど…


中島健人
中島健人
これ、紫耀に言うんでしょ?
桃瀬
桃瀬
紫耀っていうか…演技なんだけど…
中島健人
中島健人
そうだけど!
今俺に言ってみて!
桃瀬
桃瀬
わかったよ…


私はその場に立ち上がると健人の方に身体を向けた

私はお兄ちゃんの妹…
よし、行ける






桃瀬
桃瀬
お兄ちゃん…ッ!


健人にギュッと抱き着く私

そして顔を上げ瞳をじっと見つめながら山場の台詞を言う


桃瀬
桃瀬
私も…大好き…お兄ちゃんのこと…愛してるよ…ッ


すると健人にいきなりキスされた
しかも舌が絡まる深いやつ


中島健人
中島健人
ん、はぁ…ッ、んん…
桃瀬
桃瀬
んン…ッ、ふッ…んは、ァ…
中島健人
中島健人
俺も愛してるよ…ッ
桃瀬
桃瀬
それは台詞として?
中島健人
中島健人
なわけねえだろ、ちゃんと中島健人として
お前のこと愛してるよ
桃瀬
桃瀬
ふふ、私も健人のこと愛してるよ


健人は私をギュッと抱き締めると駄々をこねてきた


中島健人
中島健人
あー…やっぱヤダなラブシーン
あなたにお兄ちゃんって呼ばれたら凄い胸がドキドキしたもん
桃瀬
桃瀬
演技じゃん笑
中島健人
中島健人
そうだけど…お前のあの目…
紫耀はぜってえ落ちんだろ…しかもその後キスすんだろ?
桃瀬
桃瀬
健人みたいに舌は入れないけどね
中島健人
中島健人
それはぜってえ許さねえからな!普通にキスするのだって許したくねえのに…
紫耀が舌入れてきたら噛み付けよ?


噛み付くなんて…そんなこと出来るわけないじゃん
そもそも舌入れるなんて台本に無いんだからそんなことしてこないでしょ…紫耀だし笑


桃瀬
桃瀬
わかったからご飯食べちゃって
私はあと少し台本読むから
中島健人
中島健人
はぁい


渋々私の身体を離せばご飯を食べに食卓に向かう健人



健人が私のお兄ちゃんだったらどんな感じなんだろ…とか、ふと思ってしまった



桃瀬
桃瀬
ご飯美味しい?お兄ちゃん…?
中島健人
中島健人
ブブッ…ゴホッゴホッ←
桃瀬
桃瀬
汚いから吹き出さないで
中島健人
中島健人
お前こそ…お兄ちゃんって呼ばないで…破壊力パないから←

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