ガチャッ
廉の目の前には
紫耀とあなたが抱き合っている光景が目に入る
わたしはドアの方に視線を向ける
廉は驚いた顔をして動けないでいる…
そう言って扉を閉めて静かに去っていく…
抱き合っていた紫耀くんとわたしはすぐに離れる
そう言って紫耀くんは廉くんを
追いかけて行った
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なんやねん
俺いっつも遅いやん、、、なんか。
なんでこんなあなたさんが誰かと抱き合っとうとこ
何回も見なあかんねん。
よーわからんけどでも紫耀選んだってことやんな?
婚約者の人とはどーなったんか知らんけど。
気持ちも伝えられへんまま今度こそ終わりやな。
情けへんわー、ほんま俺情けへん
アホみたいに走ってきて恥ずかし。
そう思いながら病院を出て、来た道を戻る
自分自身をバカにするかのように言い捨てる
「れぇーーー………ん……」
誰かが呼ぶ声が聞こえる
振り返ると紫耀が走ってこっちに来る
紫耀に腕を掴まれる
紫耀に向かって吐き捨てるように言い歩こうとする
紫耀が急に大きな声を出して叫ぶ
は?
意味わからん
いや、さっき笑いながら紫耀と抱き合ってたやん
なにがちゃうん?
婚約者でもない紫耀でもなかったらどういうことやねん
そう言い、紫耀が急に携帯を出して
俺に見せてくる
そう言われて意味わからんままやけど
俺は紫耀の携帯を見て言われた通りに左の文字だけみる
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いちばん星を見つけた
まだ誰のものにもならないで
はかなくて寂しいよ ねぇ
まっすぐ私のとこに来て
だきしめて欲しい
いっしょに居たい
えいえんへと続く道を歩きたい
なみだは思い出に変えるから
いつかは付き合いたいなんて
よくばりはやっぱりダメかな
れん、あいはしないって決めたけど
がんばろうって思ったよ
すぐそばで笑ってほしいよ
きみが本当に愛しいよ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
紫耀にそう言われもう一度読み直す
そう言われて俺はあの日の音楽番組のことを思い出す
こっち見てくれてるような気がして…
目が合うなーって、俺に微笑んでくれてんかなーって
思ったあの日がよみがえる。
自分の想い…?
まって、意味わからん。
どうゆうこと。
紫耀が悲しそうに笑う…
そう言って紫耀に背中を押されて
俺は病院に向かって走り出した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。