第5話
No.4 知らない人
やっと終わった。
20時
思ってたより早く出来た。
颯人にLINEをして会社を出る。
いつもの帰り道
オフィス街を抜けて駅まで歩く
駅の周りには毎日いる
夜の仕事や居酒屋のキャッチ
話しかけられても無視して
見向きもせず歩く
いつものこと、、、
毎日のこと、、、、、
早歩きで進んでると急に後ろから腕を掴まれる
−−−−−−−−−−−−−−−−
えっ、
不意に腕を掴まれこけそうになる私。
そこには、スーツを着て
私を真っ直ぐに見つめて
問いかけてくるひと。
キャッチの人に腕を掴まれたのなんか
はじめてで、なんかムカついて
喧嘩口調で言い返してしまった。
そこまでして勧誘するん?
でも、腕掴んで止めるのはあかんやろ。普通
そんなことを思いながら男の人を睨む。
男の人は、一瞬びっくりしたようで
動きが止まったが
すぐにまた私に話続けてきた
この人、急に何言ってんねやろ…笑
言ってることもむちゃくちゃで
何も伝わらんかった。笑
ただ、なんやろ
なんかわからんけど
私もなんか感じてしまって
さっきとは違って嫌ではなくて
真っ直ぐに話してくれるこの人の目が
キラキラしてて
気付いたら笑ってしまってた。