第87話
No.85
廉くんからのLINEを見てわたしは肩を落とした
そう思い、わたしは一人でタクシーに乗り帰った
ほんとは運転する廉くんの横でこの街並みを
一緒に見れたのかな…
わたしがしょーもない話ばっかりして2人で笑って
廉くんに突っ込まれてたのかな…笑
そうおもうとなんか寂しくなった
家に着いて廉くんに返事をする
仲直り?出来るって思って。
まぁ、喧嘩なんかしてないけどさ…
前みたいな時間が戻ってくるそう思って
舞い上がってたのはやっぱり私1人だけか。
会えるって嬉しくなって触れたいって思うのも
ぜんぶ、、ぜーんぶわたしだけ。
廉くん…
どうしたら振り向いてくれますか?
どうしたらわたしを見てくれますか…?
欲張りな感情がわたしを襲う。
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仕事なんか手に付かんぐらい嬉しくて
今日会えるって思ったら自然と笑えてきた
時間通りに仕事終わらしてあなたさんの事務所まで
車を走らせた
駐車場に着いたら時計は…20:00
よっしゃ!めっちゃええ時間やん?
もうすぐ出てくるかなー。
そう思って俺は地下駐車場の通路の入り口を
見つめながらあなたさんを待つ。
20:08
あなたさんが出てきた…
マネージャーさんと2人で話して別れる
いつものあのアホみたいな笑顔で笑いながら
携帯を取り出したあなたさんが見えて
俺はクスッと笑ってしまい…笑
車から降りて声をかけようとしたそのとき
男の人の声が聞こえた。
あなたさんから笑顔が消えて…
振り向いて驚いたような顔をして
その人の名前?をよんだ。
はやと?
誰?このひと。そう思ってたら
その男の人はいきなりあなたさんを抱きしめた
俺は目の前の光景が信じられへんくて
でも2人が話す声はちゃんと聞こえてきた。
"はやと"ってひとは、たぶんあなたさんの
元婚約者…やと思う
あなたさんのことが忘れられへんくて
大阪から追っかけて来たらしい
"一生そばにいてほしい"
紛れもなくそう聞こえた
またあなたさんのことを抱きしめてて
なんかそこで俺は見てられんくなって
あなたさんにLINEを送ってから
車を出して駐車場を出た。
車の中で一人…
乾いた笑いが出る
抱きしめられとったあなたさんの顔…
驚いてたけどなんか安心してるように見えた
あの人とより戻して結婚するんか…
俺じゃやっぱ、あかんよな
紫耀の言ったとおり、俺らじゃない人選ぶってやつか笑
ほんま恥ずかしいわ、
楽屋で俺の名前よんで泣いてたって聞いて
ちょっと期待しとったけどさ、
ただの自意識過剰やん、笑
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近付くはずだった2人の距離
交わりそうになればまた
すれ違う…