わたしの返事をスタッフさん含め
みんな待っているようで
視線があつまる。
この時間がすごく気まずくて
悩んで、悩んで、悩んだけど…
井上さんが急に大声で叫ぶ。
みんな、井上さんの叫びに笑いながら
わたしの方をみて拍手をしてくれる
パチパチパチパチパチパチ
拍手が鳴り止むとすぐに
みんな持ち場にもどり準備を進める
1人のスタッフさんが声をかけてきた。
女性スタッフC
「あのー!えっと、あなたさん、、、
でしたよね…?
メイクとか衣装合わせしたいんで
こっち来てもらってもいいですか?」
わたしは、井上さんをみる。
井上さんは、私をみて静かに頷く。
そう笑顔で言われ
わたしはスタッフさんのあとを着いていく。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!