紫耀くんにそう言われてわたしは悩んだけど
話そうと決めた。廉くんを好きということだけは伏せて…
廉くんから毎日してた連絡がなくなったこと
昨日急に連絡きて会えるはずだったのに
断られて会えなくなってしまったこと
元婚約者が急に現れて気持ちを伝えられたこと
でもちゃんともう無理だからって話して
友達になろうねって分かり合えたこと
ぜんぶ話した。
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えっ、、、
元婚約者さんとの話
廉から聞いてるのとちょっと違う。
その人とより戻すんじゃないの…?
あなたちゃんが今話してくれたの聞くと
断ったって言ってたけど。
あなたちゃんの話を聞いて俺は頭が追いつかなかった
ほら、やっぱり言ったじゃん?
ちゃんと本人から話聞けよって…
廉バカだね、ほんとに、、、クスッ
勝手な思い込みで話進めてんじゃねぇよ。
もう知らないけどな。
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紫耀くんが励ましてくれて笑顔でわたしに言ってくれる
キラキラした笑顔を見てなんだか安心する…
スタッフ
「平野さーん、一ノ瀬さーんお願いします!」
スタッフさんに呼ばれて2人とも立ち上がる
紫耀くんはこの前も…今もわたしに元気をくれた
落ち込んでても笑顔でそばにいてくれて
励ましてくれて支えてくれる
世間では"天然"とか"バカ"とかでいじられてるけど
ほんとは誰よりも周りが見えてて気が配れて
頭が良いとか悪いとかそんなんじゃ表せない
すごく優しくて心がかっこいい人。
サッ…
ギュッ…
紫耀くんがわたしの手を取り、
引っ張られるように連れていかれる。
でも、ぜんぜん嫌じゃなくてむしろ嬉しい…
握られた手は暖かくて包まれてるような感覚。
スタッフさんたちがその光景をみて
わたしたちをいじってくる
スタッフ
「まだカメラ回ってませんよー!笑」
「平野くん、手!手!!」
「ほんとに恋人になったか? ヒューヒュー♡」
そう言ってゆっくりとわたしの手を離す
スタッフたち
「あはははははは!!!」
現場は笑いに包まれる
スタッフさんたちは紫耀くんがまた天然行動を
起こしてしまったと思ったみたい。
ほんとは天然な行動とかじゃなくて
現場の雰囲気良くするためかな?
この前わたしが上手くできなかったから
スタッフさんたちも少しピリピリしてたし。
それと…わたしの緊張ほぐすためかな?
そういうとこだよ…
優しすぎ…
ふわっと紫耀くんの匂いがして
耳元にハスキーボイスが響く…
大きい手でわたしの頭を
ポンッ……ポンッ………
と撫でる
ありがとう…
紫耀くん…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。