第44話
No.42
頭をポンポンってされてドキッとした
え…?あっ!
あれか、こんなにかっこよくてしかもジャニーズ!
絶対、誰でもときめく!きっとそう!笑
自分にそう言い聞かせてると撮影がスタートする
スタッフA
「今日は、このシーン撮りますね!」
台本を指差しながらわたしたちに
位置取りやタイミングなどを説明してくれる
恋人っていう設定だからわかってたことだけど
今日は抱きしめられるシーンがある…
さっきのことがあったからか、急に緊張してきて
"抱きしめられて、愛してるって言われる"
"抱きしめられて、愛してるって言われる"
"抱きしめられて、愛してるって言われる"
頭の中をループする
「本番いきまーすっ!!!」
廉くんの方を見ながらゆっくりと近づく…
ぎゅーっ。 ドキッ
まただ。胸の奥が締め付けられる感じ…
鼻筋の通った綺麗な顔。
ちょっと細いけど男らしい腕。
ふわっと香水のいい匂いがする。
「はい、カットーーーーーー!!」
カットがかかっても廉くんが離してくれない。
え…?
「永瀬さーん!OKですよー!」
抱きしめられてて話しにくいけど
名前をよんでみると慌てて廉くんが離れる
---------廉side----------
ほんまは抱きしめた時離したなかった、
これがドラマやなくて現実やったら、
そう思ってたことは誰にも言えへんけどな。
カットかかった声もちゃんと聞こえとったし。
もうちょっとだけ、もうちょっとだけでええから
このままでおらせてや。
そう思って離さんかったってゆうか離れられんかった
綺麗やけど、どっか幼くて可愛さもあって
笑うとクシャッとなるその笑顔とか
俺と話す時だけたまに出てくる関西弁とか
ぜんぶ
ひとりじめしたい。
あー
俺っていつからこんなに独占欲強なったんやろ