頭をポンポンってされてドキッとした
え…?あっ!
あれか、こんなにかっこよくてしかもジャニーズ!
絶対、誰でもときめく!きっとそう!笑
自分にそう言い聞かせてると撮影がスタートする
スタッフA
「今日は、このシーン撮りますね!」
台本を指差しながらわたしたちに
位置取りやタイミングなどを説明してくれる
恋人っていう設定だからわかってたことだけど
今日は抱きしめられるシーンがある…
さっきのことがあったからか、急に緊張してきて
"抱きしめられて、愛してるって言われる"
"抱きしめられて、愛してるって言われる"
"抱きしめられて、愛してるって言われる"
頭の中をループする
「本番いきまーすっ!!!」
廉くんの方を見ながらゆっくりと近づく…
ぎゅーっ。 ドキッ
まただ。胸の奥が締め付けられる感じ…
鼻筋の通った綺麗な顔。
ちょっと細いけど男らしい腕。
ふわっと香水のいい匂いがする。
「はい、カットーーーーーー!!」
カットがかかっても廉くんが離してくれない。
え…?
「永瀬さーん!OKですよー!」
抱きしめられてて話しにくいけど
名前をよんでみると慌てて廉くんが離れる
---------廉side----------
ほんまは抱きしめた時離したなかった、
これがドラマやなくて現実やったら、
そう思ってたことは誰にも言えへんけどな。
カットかかった声もちゃんと聞こえとったし。
もうちょっとだけ、もうちょっとだけでええから
このままでおらせてや。
そう思って離さんかったってゆうか離れられんかった
綺麗やけど、どっか幼くて可愛さもあって
笑うとクシャッとなるその笑顔とか
俺と話す時だけたまに出てくる関西弁とか
ぜんぶ
ひとりじめしたい。
あー
俺っていつからこんなに独占欲強なったんやろ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。