井上さんが帰って紫耀くんと2人きり…
紫耀くんはそう言うとわたしを寝かそうと
布団をかけて横にならせようとしてくる
紫耀くんが困った顔してるのがみえる
わたしは一瞬迷ったけど
余計に気になってきて
少し心の準備をして聞くことにした
そう答えると紫耀くんは目を閉じて深呼吸をする
両手で自分の頬を パチン と叩き
わたしの目を見て話始めた
さっきまで話してた楽しい暖かい空気とは違い
寒さを感じるような冷たい空気を感じて
紫耀くんの真剣な表情がわたしを戸惑わせる…
紫耀くんの声が病室に響く
す…き…?
紫耀くんが…
わたしを…??????
少し前にそうかもしれないって思ったことはあったけど
最近は何もなかったし
わたしの思い違いか…そう思ってたのに…
紫耀くんが優しい目をして笑いながら話を続ける
自分のことを良く言われてて…少し照れてしまう////
紫耀くんが言った言葉にわたしはびっくりしてしまう…
何も言えずわたしは下を向く
わたしは静かに頷く
下を向いて静かに笑う紫耀くんを見て胸が痛くなる
ごめん…
心の中で静かにとなえる
なんか紫耀くんの気持ちにちゃんと
気付けなかった悔しさ
それに優しさ
心に沁みて涙が溢れてきた
そう言いながら
ベッドにいるわたしを少し起こして抱き締める
ギュッ…
安心する…
ゆっくりと離れる2人
紫耀くんがわたしへの気持ちを打ち明けてくれて
嬉しい気持ちと同時にカッコいいなと思った
わたしも正直になりたいな…
カッコ悪くてもいいから。
そう言うと紫耀くんがまた抱きしめてきた
ギューッ
紫耀side
あなたちゃん?
廉と両思いだから…大丈夫だよ…
フラれるわけなんてないじゃん。
そう言ってあげたいけどなんか
ほんとに負けな気がして言えなかった
最後だからこれが最初で最後にするから
もう少し甘えさせて…
このままでいさせて…
紫耀くんに抱きしめられて苦しいけど暖かさが
心地よく感じてわたしもそっと腰に手を回した
その時だった
廊下を誰かが走ってくる音がした
バタバタバタバタ ガチャッ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!