ピコン
深夜、突如鳴ったスマホに驚きつつも私は目を開けた。
なんの通知だろう、とスマホに手を伸ばす。
来たのは新曲通知だった。
ギシ、と音を立ててベッドから起き上がる。
何から何まで用意してくれた神代先輩ご一家に感謝だ。
なんだか安直な曲名だな、と思った。
イヤホンを取り出し、バグを再生してみる。
私の予想が正しければ、きっとこの”雪”という人はお姉ちゃんだと思う。
瞬間、スマホから流れ出した音楽に私は驚愕した。
ニーゴの曲はどこか悲しい曲が多くて
ただ、バグはなんだか他の曲と違う。
前奏から感じたのは、”怖い”。
無意識に布団を握りしめ、歌詞が始まるのを待つ。
(長くなるので飛ばし飛ばしになりますすみません🙇♂️)
どうしよう、お姉ちゃんが、壊れる。
「頑張れ」の氾濫………
“アドミニストレイター”………
“管理者”……お母さんのこと……?
………………怖い。
お姉ちゃんの絶叫が、聞こえた気がした。
怖い。
ずっとずっと叫んでるみたいで。
お姉ちゃんはこれ程の闇を抱えていたのかと思うと、
それに気づけなかった自分が憎かった。
私はお姉ちゃんの、何を見ていたんだろう。
泣くな、泣くな。
お姉ちゃんは私以上に苦しんでる。
待っててね、お姉ちゃん。
今、行くから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。