玲於side
最近気づいた。
あなたはよく泣く。
あいつが、例のイケメンと一緒にいる時。
無性に腹が立った。
イライラして、そいつと話すな。
って、嫉妬みたいになっていく俺がいて
正直、焦った。
理由は不明。
なんか、焦る気持ちが出てきているんだ。
部屋に意味もなく干してあるマフラー。
男の香水の匂い。
…腹立つわぁ、
さっき、あんなイケメンな顔見せつけられてさ
俺、自信失くした。
あなたの隣にいるのはあいつになるのかって考えたら
どうしよも無くなって、あなたに当たって部屋に入ってきた。
玲於さんって呼ぶ声がだんだんか細くなっていくのが
伝わった。
それに、LINEも来てた。
" オムライスまた食べたいです "
んなの、いくらでも作ってやるし。
けど、俺は一応大人。
高校生と居たら軽く犯罪と思われるかもしれない。
そこら辺の区切りはちゃんと付けてあるから。
それから、寝るにも寝れなかった。
むしゃくしゃして、外に出て落ち着かせようとした。
眺めの悪いベランダ。
あなたの部屋の方が見やすかった。
すると、隣からゴソゴソと聞こえて
隙間から覗くと
長い髪の毛のあなた。
そう呼ぶと
目にうっすらと涙を浮かべているあなた。
その、玲於さん結構くる。
さっきは、ごめんと伝えた。
心配性ってのは本当。
よくメンバーにからかわれる。
心配し過ぎだって。
嬉しそうな顔が見れてよかった。
あなたも寝れずにいたなんてな。
俺だけかと思ってた。
おやすみなさい、と入っていった。
そこからの一人のベランダ。
つめてぇなぁ、柵。
けど、なんか今の俺の体温にいい温度。
おかしい。
俺、熱でもあんのか…
その熱さに気づくのはまだ先。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!