第32話

心配性
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2019/08/28 01:20
玲於side
最近気づいた。


あなたはよく泣く。
あいつが、例のイケメンと一緒にいる時。


無性に腹が立った。


イライラして、そいつと話すな。


って、嫉妬みたいになっていく俺がいて
正直、焦った。


理由は不明。


なんか、焦る気持ちが出てきているんだ。
部屋に意味もなく干してあるマフラー。
男の香水の匂い。


…腹立つわぁ、
さっき、あんなイケメンな顔見せつけられてさ


俺、自信失くした。


あなたの隣にいるのはあいつになるのかって考えたら


どうしよも無くなって、あなたに当たって部屋に入ってきた。
佐野玲於
…大人気なさすぎ
玲於さんって呼ぶ声がだんだんか細くなっていくのが


伝わった。


それに、LINEも来てた。


" オムライスまた食べたいです "


んなの、いくらでも作ってやるし。


けど、俺は一応大人。


高校生と居たら軽く犯罪と思われるかもしれない。


そこら辺の区切りはちゃんと付けてあるから。
それから、寝るにも寝れなかった。
佐野玲於
はぁ…
むしゃくしゃして、外に出て落ち着かせようとした。
眺めの悪いベランダ。
あなたの部屋の方が見やすかった。
すると、隣からゴソゴソと聞こえて


隙間から覗くと
長い髪の毛のあなた。
佐野玲於
あなた…?
そう呼ぶと


目にうっすらと涙を浮かべているあなた。
佐野玲於
何してんの。
あなた

玲於さんっ…

その、玲於さん結構くる。
さっきは、ごめんと伝えた。


心配性ってのは本当。


よくメンバーにからかわれる。


心配し過ぎだって。
佐野玲於
…オムライス、またいつかな。
あなた

…はいっ!

嬉しそうな顔が見れてよかった。


あなたも寝れずにいたなんてな。


俺だけかと思ってた。
おやすみなさい、と入っていった。


そこからの一人のベランダ。


つめてぇなぁ、柵。
けど、なんか今の俺の体温にいい温度。


おかしい。


俺、熱でもあんのか…
その熱さに気づくのはまだ先。

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