玲於side
昼から仕事があるのは事実。
しかも、地方に行くやつだから結構疲れる。
ジェネ高の収録で新幹線だから辛い。
洗濯したなんか嘘。
その、イケメンから借りたマフラーが気に入らなかった。
何故かわからないが。
あなたがイケメンにニコニコしながら返してんの
想像したらドクッと心臓が痛くなる。
嫌だから?
いや、違う。
…とにかく、あいつとほかの男を関わらせたくなかった。
なんて、彼氏面してあほだ。
しかも、バレた。
朝からモヤモヤする中、迎えに来てくれる車を待つ。
「 車まだ? 」
隼にLINEすると、
隼「 今信号ー 」
混んでるか。
朝だしな。
仕方ない。
にしても、寒い。
…やっぱ心残りなのが家に置いてあるマフラー。
イケメン寒いか。
わ、俺のせいで風邪ひかせたらどうしよ。
あの時、玲於さんがマフラー洗っちゃったからじゃん!
って、怒られんのかな。
怒っても怖くなさそうなのがあなただ。
遠くからやってくる車を見つけてほっとする。
止まって、乗り込むとムワッと暑い空気。
相変わらず賑やかなメンバー。
裕太くんと龍友くんは前で二人。
涼太くんはその隣の一人席。
そして、俺はと言いますと…
メン 隼 俺 亜
という、非常に過酷な並び。
コソッと耳打ちしてきた隼。
亜嵐くんが怒るとか想像つかない。
急に話を変えた亜嵐くんが放った言葉。
何、会おうとしてんの。
亜嵐くん。
真剣な顔で言ってくるからちょっと笑えた。
純粋なんだよなぁ、亜嵐くん。
意外と。
ピュアっていうか人を信じやすいの。
合わせるまい。
絶対。
ただえさえ、最近俺らのこと知ったあいつに
こんなイケメンのメンバー連れてったら
パニックところじゃない。
失神。
それを考えたら
会わせない
その結果に至ったので
頑固な俺がもっと頑固になったわ。
無駄にイケメンだし、気遣えるし、優しいし
女の子との接し方慣れてるし…
あいつ勘違いしちゃう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!