第53話

玲於さんじゃない香水
3,053
2019/09/01 22:18
あまり眠れない中、朝が来て


今日は夜にGENERATIONSさんとごはん。
いつもより早く起きた私は珍しく


朝ごはんに励んだ。
目玉焼きとご飯とお味噌汁。


無難だけど1番美味しいと思う。
あなた

いただきます。

1人で合わせる手のひら。


いつか私にも目の前で一緒に合わせてくれる


人は現れるのかな…
食べ終えて、食器を洗う。


そこできになってきたのが玲於さん。
あれから走ってどこ行ったのか。
考え出したら止まらなくて


でも、食器を洗う手は止まる。
あなた

はぁ…

悪いほう考えなければいいだけなのに


最終的にはそっちの方向へ気持ちが傾く。
ネガティブ…じゃん。
ご飯に行くまでの昼にLIVEDVD買いに行こう。


目にマジマジと焼き付けてやる。
鍵を閉めて外に出た。
相変わらず寒い。
アパートの入口に差し掛かった時。
あなた

玲於さん…?

佐野玲於
あ…おはよ。
あなた

おはようございます…

昨日、出て行った服と同じ服。


え…?


私の考えてたこと合ってるんじゃ…
浮かない笑顔を見せて私の横を通り過ぎた時。


フワン、と香るきつい香水。


玲於さんじゃない…きっと、女の人の香水。
玲於さん


そう呼ぼうとした時にはとっくに部屋の前にいた。
今の私には全く理解できなかった。
.
…かっこいい。
笑顔…キラキラ…
LIVEDVDに見とれるも


やはり、あのことは頭からは離れない。
心の底から楽しむことは無理に近い。
既に6時。


私、時間忘れてた…
あ、玲於さんにオシャレしなくていいって…


…別に私の服だもん。


玲於さんに言われたくない…
いつも通りの私の服装。
黒のタイトスカートに上はスゥェット。


髪の毛は巻いて、クルクルにした。
あなた

よし、

玲於さんに会うんだし別に可愛くしたっていいもん。


好きな人の前だし…
その時、なったインターホン。
すぐに玲於さんだと分かったが


足が動かない。


今朝のことが蘇って…
ピーンポーン
2度目のインターホン。
あなた

…はい

ゆっくり動かしてドアを開けた。
そこにはいつもみたいな玲於さんじゃなくて


めちゃくちゃ…オシャレな玲於さん。


…ドキドキしだした私の心臓。


止まれっ…
佐野玲於
お前…
あなた

はい?

佐野玲於
…なんでもない。いこ。
機嫌の悪くなってしまった玲於さん。


私だって、今機嫌悪いです。

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