第69話

嫉妬
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2019/09/07 14:09
玲於side
絶対、あなただ。


あれ、


バイト始めたとか知らない間によ。


あん時は、俺もちょっとびっくりした。
当たり前のように亜嵐くんから
白濱亜嵐
顔暗くね?
すぐに指摘される。


よく見てんのよ、このリーダー。
佐野玲於
あなたみたいな人いてさ
白濱亜嵐
え、それ俺も思ったよ。
佐野玲於
まじで!?
お互い顔を合わせてだよなって分かち合う。


やっぱ、、あいつら


二人一緒にバイトしてんだ。


…めちゃくちゃ嫌だ。


吉野とか最悪。
佐野玲於
俺もここでバイトしよっかな…
白濱亜嵐
だめだめ。
これ割りと本気で思った。


…って、めちゃくちゃ嫉妬してるし、俺。
白濱亜嵐
あの様子からだとね
吉野って子もあなたちゃんのこと好きだね。
佐野玲於
…うん、好きだよ。吉野も、
白濱亜嵐
え、玲於調査済みなの!?
佐野玲於
顔に出まくってイラついたから
気づかせてやったの。
俺、優しい男でしょ。
白濱亜嵐
そんな真顔で言われても説得力ないよ!
しかし、あいつのことが好きだと気づけば


止まらなくなる嫉妬というもの。


俺ってこんなに嫉妬深いんだ


改めて感じた。


そして、また、余裕をなくす。


俺だけに見せてくれてたあの笑顔は


吉野にも見せてんだって考えたら冷静なんかで居られない。
佐野玲於
…しんどい
白濱亜嵐
そういうもんなの。恋って。
佐野玲於
…やになりそう。
個室の壁にもたれて亜嵐くんに励ましてもらう。


頼んでいた注文はなかなか来ない。


その時にやってきたのは愛さん。


前、飲みに行っていた居酒屋で知り合った人。


俺らの姉さんみたいな。


いい感じに入ってきたお酒。


メンバーもだんだん乗ってきて盛り上がってきたところ。


携帯にLINEが入っていたことに今気づいた。
相手は
佐野玲於
あなたじゃん…
「  玲於さんの居る居酒屋私バイトしてますよ  」
3分前。


遅くない?


そんなの、言われなくたってあんなの見たらわかるし。
                                                                 「  知ってるけど  」
そう返したらすぐ既読がついて
「  ごゆっくりしてくださいね  」
はいはい、


と、携帯を閉まって、何分かしたとき。


また、トイレ行きたくなった。


めちゃくちゃ亜嵐くんに飲まされんだよ ~ 。


もう、辛い。
吐く。
限界が来たみたいで結構早めにトイレに駆け込もうと走る。
すると、
佐野玲於
は?
出入口をあなたと吉野で帰ろうとしているところを見かけた。
気持ち悪いなんかいつの間にかなくなってて


気づいたら…
佐野玲於
…待てよ、
あなたの手を掴んでいて
あなた

玲於さん!?

驚きを隠せないように目を見開くあなた。
佐野玲於
俺が送るから、待ってて。
最近ちゃんと話せてなかった。


俺が当たっちゃったり、あなたを泣かせてばかりだから。


笑い合いたい。


そう出来るのは今だと思ったから。
あなた

でもっ、北人…

吉野北人
…分かりました。
なら、またね、あなた。
あなた

うん、ごめんね、北人。

んだよ、ごめんねって。


俺が悪い事したみたい…だけど。


実際は、多分そう。
じんわりと伝わるあなたの腕からの熱。
俺は慌てて離した。
佐野玲於
…一緒に帰ろ。
俺の精一杯の言葉だった。
あなた

…もちろん。

笑ってくれたあなた。


その笑顔を見たら俺、溶けちゃいそうで
佐野玲於
か、カバン持ってくるから待ってて。
あなた

はい!

…俺、すごいっ。


言えたぞ。


やっば、嬉しい。


一緒に帰れる。
メンバーの、いるところに戻ると
相変わらず騒がしいメンバー。


が、1名爆睡。


金髪豚野郎。
白濱亜嵐
あれ、どこ行くの!?
佐野玲於
帰る!ごめん、ご馳走様!
5000円おいてすぐさま、あなたの元へ戻った。


はやく、どこか行ってしまわないうちにっ。
向かった先にはちゃんとあなたがいて


確かに、俺の好きになった人。
こんな恋。


初めて。


目が合うだけでめちゃくちゃ嬉しいし、


笑われると尚更、やばい。
佐野玲於
じゃ、行こ。
あなた

はい!

外に出た時。


今年、初雪がチラチラと降っていた。


それを見るあなたの横顔。


っ…そんな、可愛い顔すんなよ。


マスクをつけてあげたくなるような可愛い顔で焦った。

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