第41話

氷みたい
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2019/08/29 22:28
買い物を終えて部屋に戻ってる時。


玲於さんの部屋から賑やかな声が聞こえて


楽しそうで笑ってしまいそう。
仲良いんだなぁ、って。


重い荷物を家に入れて家から持ってきた漬物。


もう、玲於さん食べたとか言ってたし


皆さんにも食べてもらいたいから


おそそわけしようかな。
タッパーに漬物を詰めて


家を出た。
インターホンを押して待ってたら
白濱亜嵐
はぁ ~ い!
インターホン越しじゃなくて


直でドアが開いた先には玲於さんじゃなくて
白濱亜嵐
あれ!可愛い子来たよ!?
もしかして、お隣さん?
あなた

あ、そうです。澤島です。
よろしくお願いします。

白濱亜嵐
うん!澤島なにちゃん?
あなた

あなたです!

白濱亜嵐
あなたちゃんね、覚えた ~ !
しかし、この人めちゃくちゃかっこいい顔してる。


遠目だったからよくわかんなかったけど


近くで見るとすっごい。


目の二重幅とか、鼻の高さとか…いろいろ凄い。
佐野玲於
あっ、ちょっと!亜嵐くん!!
白濱亜嵐
なんか、あなたちゃんが持ってきてくれたよ?
佐野玲於
…あなたちゃんって…!
あ、あなたどうした?
慌てて、出てきた玲於さん。


亜嵐くんは多分酔ってる。
あなた

これ、漬物皆さんで!

白濱亜嵐
え!まじ!漬物!?
あなた

はい!

玲於さんの後ろに強制的に動かされたイケメンさん。
佐野玲於
いちいち反応しなくていい。
ありがとう、漬物。
やっぱり玲於さん疲れてるな。


いつもと同じ言葉を言ってくれてるのに


嬉しくない、
数原龍友
お ~ 、なになに!可愛い子おるやん!
白濱亜嵐
でしょ ~ !
あなたちゃんって言うんだって。
数原龍友
ほぉ、そうか。
一緒にご飯食べてく ~ ?
あなた

え!?

佐野玲於
ダメに決まってんじゃん。
こんなおじさんばっかの所に入れられない。
数原龍友
おじさんじゃねぇ ~ よ!
白濱亜嵐
まだ、ピチピチだ!
でも、楽しそうなのは確か。
佐野玲於
ごめん、あなた。
また明日でもいい?
あなた

はい…分かりました。

佐野玲於
ごめん、
玲於さんが謝る必要ないのに謝らせてる。
白濱亜嵐
僕亜嵐!
数原龍友
僕龍友!
佐野玲於
しっ!!
玲於さんが勢いよくドアを閉める前に聞こえた名前。
玲於さん、冷たい…
氷みたい。


触れたら私まで凍ってしまいそう。

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