今日連れられたのは前とは違うところで
またここも、とても高そうな…
携帯を止めて私の方をちゃんと見てくれている。
ん、と不器用に私の頭に手を置いた。
私の頭は落ち着くだとか。
なんだそれ、ひらぺったいから?
個室に案内され、各席に座る。
前は亜嵐くんの席だったけど
今日は自分から玲於さんの隣に行った。
私の肩を引いて玲於さんの方に引き寄せられた。
至近距離で私に聞いてくる玲於さん。
これ、計画だったら相当な悪魔だよ。
こんな至近距離で話せる人がどこにいんだか!
私から離れてしまった玲於さん。
ビールのジョッキに手を伸ばす。
私も玲於さんと隣で飲める日は来るかな。
そんなことを夢見ています。
忘れた、と玲於さんと隼さんは言った。
仲いいんだなぁ。
私はちびちびとオレンジジュースを飲む。
そんな中、盛り上がってきた皆さん。
隼くん、顔真っ赤にして甘えん坊になってて
裕太さんと動物について話してる。
かわいい!
龍友さんと亜嵐くんとメンディーさん涼太さんは
カラオケなんか始めちゃって美声を聞かせてもらってる。
さすがヴォーカル。
綺麗な美声。
けど、パフォーマーの亜嵐くん。
めちゃくちゃ歌が上手い。
拍手をしたりそれなりに参加しているけど
眠たそうに机に伏せた。
玲於さんが喜ぶこと。
お腹すいたならなにか頼まなきゃ。
店員さんを呼ぼうとした時、
私の伸びた手を引き止めた。
ほろ酔いなのか語尾が伸びている玲於さん。
かわいい…
え!?
玲於さん一変したかのように私の手を取って
荷物を持った。
歩くのが速い玲於さん。
やばい、今心臓バクバク言ってる。
玲於さんへのオムライス作り。
上手く作れるか心配。
斜め前を私の手を繋いで歩く玲於さん。
なにそれ、可愛い。
もう、私頑張るよ。オムライス!!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。