私のベッドが恥に置いてあるだけの部屋を
キョロキョロと見渡している玲於さん。
やはり、ちょっと落ちる話し方。
どうしよ。
どうやって話を繋げようか。
玲於さんは飽きずに私のベランダから外を眺めて
玲於さんの隣に行って同じように外を見る。
玲於さん意外と景色とか気にするんだな…
どうでもいいのかと思っていた。
意外…
つまんな ~ 、と壁にもたれて座った。
暇だったら
それは、あのシルバーボックスカーの中の人と
遊んでいない時…?
そう疑うとますます、玲於さんの存在が怪しく感じる。
玲於さんは私の手を取って玲於さんの家に移動する。
…柔らかい。
玲於さんの手。
けど、外に出てしまえば寒い空気が私を指すんだけどね。
…こんなことして玲於さんは彼女さんはいないのかな。
ふと思ったけど
こんなイケメンに彼女いないわけないよね!?
だめだ
そう思い、玲於さんの手を離した。
鍵を開けてた玲於さんは私の方を見て
そう言って部屋に入っていった。
嫌じゃないのに…
玲於さんに彼女がいるんだと思ったら
いけないことだし…
しちゃだめだもん。
昨日見た玲於さんのお洒落な部屋。
今日は電気のついていない玲於さんの部屋。
電気ついてないぐらいで
オシャレさは変わらないのが玲於さん宅。
リビングに通り抜ける前にゆっくりと
壁に飾る写真に目を向けて歩く。
玄関側からの写真は
すごく若い…
高校生…?
指をさして待ってたら玲於さんが来てくれて
どれ?
と、一気に距離が縮まる。
サラッと私の事呼び捨てで呼んでくれた。
玲於さんに押されてキッチンにやってくると
玲於さんの悪巧みの顔。
2回目…
卵焼きは余裕だけど
時間を気にしたことはないな…
けどっ…
玲於さんがずっと目の前にいて見てくる!!
集中できません!!
コツンと、玲於さんからゲンコツが優しく降ってきた。
触れられた頭の感触。
じんわりと、体が熱くなっていくのを感じた。
…玲於さんって何者!?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。