第25話

執行部
3,179
2019/08/27 11:17
朝が来た。
いつも通りカーテンを開けると


明るい朝。
なんか、気分がいい。
いつも通り準備してさあ、出発となった時。
あなた

あれ、吉野くんから借りたマフラー…

玲於さんの家だ。
時計を見るとギリギリな時間。


だけど、返さなきゃ…だし。
ゴミを持って玲於さんの家のインターホンを押した。
すると、ゴソゴソと聞こえて
あなた

あのっ、玲於さ…

佐野玲於
何。
あなた

えっ、

めちゃくちゃ機嫌の悪そうな玲於さん。


寝癖もひどいし、


顔も寝起き。
あなた

ごめんなさいっ、あの、マフラーありませんか。

佐野玲於
…ない。洗った。
あなた

洗った!?

佐野玲於
…わり。俺、今日昼からだから寝させて。
あなた

あっ、はい…

バン、と静かに閉まったドア。


今の玲於さん、怖かったな、


初めて見た玲於さん。


あ!


玲於さん、そういう仕事だった…


ばかばかばか。


私ったら、
って、してる場合じゃない!!!
下に降りてゴミを捨て、学校へ向かった。
.
あなた

ふぅ…間に合った。

ダッシュで学校に入ったら間に合った。


席に座ったけど、まだ吉野くんは来ていない。
はぁ、


走ったせいか、前髪は真ん中から分かれちゃった…
あなた

あらら…

手鏡で直してたら
吉野北人
おはよ。澤島。
あなた

あ、おはよ。

吉野北人
何、走ってきたの?
あなた

うん、遅れるかな…って。

吉野北人
前髪、後ろ飛んでる…
と、吉野くんは私の髪の毛を触った。
一瞬高鳴る私の心臓。
吉野北人
おけ。
あなた

ありがとう…

吉野北人
あ、澤島。
あなた

はい!?

吉野北人
マフラーは?
あなた

あ、

吉野くん、マフラーしてない。


しまった、なんて言えばいい?


隣の人が洗濯しちゃいましたって!?


いやいや、おかしいじゃんね。


ただ借りただけなのに。
吉野北人
澤島?
あなた

そ、そうなの…ごめん、
持ってこようと玄関に袋で置いてたんだけど
今日ゴミの日だから忘れちゃった。

吉野北人
忘れたの?
あなた

ごめんね…?

吉野北人
寒いんだからさぁ ~ 。
席について手を擦る。
わぁ、悪いことしちゃった。


私も私で持ってからなかったのが悪いんだな。
反省反省。
あなた

な、なら、私の使ってよ!

吉野北人
澤島の?
あなた

今日は使っていいから。

吉野北人
え、いいの?
あなた

うん。

吉野くんは考えたように
吉野北人
やっぱいい。
俺寒くないから。
吉野くん思いっきり  寒いんだからさぁ ~  って言ったよ。
あなた

…でも、

吉野北人
澤島、風邪ひきやすそうだから。
あなた

何その私。

吉野北人
パッと見ね。
ニコッと笑う吉野くん。


玲於さんとは違う高鳴り。
…可愛いんだよ、吉野くんは。
吉野北人
あ、澤島。
あなた

ん?

吉野北人
後ろ。
吉野くんに言われて振り返ると
ストレートの下ろした髪が似合ってある美人さんがいて
あなた

はい…?

???
あの、執行部の方ですよね。
あなた

しっ、、執行部!?

???
あの方達から聞きました。
彼女が手をさした先は、あの二人。


あ、なるほど ~ …
あなた

私、執行部じゃ…

吉野北人
あ、俺らそうなんで。
どうしました?
吉野くんがサラッと後ろから
あなた

え?

???
あ、なら、今日の放課後これ頼みます。
私の机に置かれたのは


分厚い書類が入った茶封筒。
あなた

これ…

???
じゃ、お願いします。
吉野北人
は ~ い。
陽気な吉野くん。
と、彼女が帰っていく途中、何かをポケットから落とした。
渡そうとしたけどその子歩くの早くて
行ってしまった。
しかし、困ったな。


私執行部とか何やればいいかわかんないし…
吉野北人
とりあえず、放課後な?
危険物を持つかのように持ちながら話す吉野くん。


彼もきっと私と同じだ。

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