朝が来た。
いつも通りカーテンを開けると
明るい朝。
なんか、気分がいい。
いつも通り準備してさあ、出発となった時。
玲於さんの家だ。
時計を見るとギリギリな時間。
だけど、返さなきゃ…だし。
ゴミを持って玲於さんの家のインターホンを押した。
すると、ゴソゴソと聞こえて
めちゃくちゃ機嫌の悪そうな玲於さん。
寝癖もひどいし、
顔も寝起き。
バン、と静かに閉まったドア。
今の玲於さん、怖かったな、
初めて見た玲於さん。
あ!
玲於さん、そういう仕事だった…
ばかばかばか。
私ったら、
って、してる場合じゃない!!!
下に降りてゴミを捨て、学校へ向かった。
.
ダッシュで学校に入ったら間に合った。
席に座ったけど、まだ吉野くんは来ていない。
はぁ、
走ったせいか、前髪は真ん中から分かれちゃった…
手鏡で直してたら
と、吉野くんは私の髪の毛を触った。
一瞬高鳴る私の心臓。
吉野くん、マフラーしてない。
しまった、なんて言えばいい?
隣の人が洗濯しちゃいましたって!?
いやいや、おかしいじゃんね。
ただ借りただけなのに。
席について手を擦る。
わぁ、悪いことしちゃった。
私も私で持ってからなかったのが悪いんだな。
反省反省。
吉野くんは考えたように
吉野くん思いっきり 寒いんだからさぁ ~ って言ったよ。
ニコッと笑う吉野くん。
玲於さんとは違う高鳴り。
…可愛いんだよ、吉野くんは。
吉野くんに言われて振り返ると
ストレートの下ろした髪が似合ってある美人さんがいて
彼女が手をさした先は、あの二人。
あ、なるほど ~ …
吉野くんがサラッと後ろから
私の机に置かれたのは
分厚い書類が入った茶封筒。
陽気な吉野くん。
と、彼女が帰っていく途中、何かをポケットから落とした。
渡そうとしたけどその子歩くの早くて
行ってしまった。
しかし、困ったな。
私執行部とか何やればいいかわかんないし…
危険物を持つかのように持ちながら話す吉野くん。
彼もきっと私と同じだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。