第35話

年の差
3,179
2019/08/28 23:24
玲於side
佐野玲於
ね、隼。
小森隼
何?
楽屋で隣にいる隼。
携帯のゲームをやってて生返事。
佐野玲於
…隼なら!
隼なら年の差って気にする…?
途端に、ゲームをやめて俺の方を向いた隼。


…俺何聞いてんだよ。
小森隼
そんなの、何歳でも俺はウェルカムだよ。
佐野玲於
まじ?
小森隼
年の差がありすぎるから嫌だって
そんなの愛じゃないよ!
好きなら何歳差でも好きって言える関係が
俺はいいと思うから!
素直な隼らしい返答。
佐野玲於
…ん、ありがと。
小森隼
何?恋してんの?玲於。
声の大きい隼。


慌てて隼の口を隠すももう手遅れ。
数原龍友
なになに ~ !お兄ちゃん気になる!
佐野玲於
何もないっす!
中務裕太
聞き捨てならんなぁ、隼の言葉。
厄介な関西チームが来てしまったら逃げられない。
くそ、隼、ご飯奢らせよ。
いつの間にかメンバーが周りに集合してて


ニタニタと悪い笑みを浮かべながら来た亜嵐くん。
悪意大ありだ。
数原龍友
んで?
佐野玲於
んでもなにも、何もないです!
数原龍友
隼、どうなんや?
お前がおっきな声で言ったやろ?
小森隼
あ ~ 、まぁ?
ん ~ 、どうでしょう、笑
これは完全、隼が悪いでしょ。


すると、すぐ口を開いたのは亜嵐くん。
白濱亜嵐
でも、否定はしないんだ ~ 。
うわ、こいつ、悪!!!!
悪すぎる!!
このあとの楽屋は俺への質問攻め。


当然、答える気はなかったけど


…否定する気もなかった。
.
"  お疲れ様でした  "
スタッフの言葉を聞いてメンバーは解散。
あ、LINE…来てる、え?
白濱亜嵐
ね、今日飲み行こ ~ !
佐野玲於
え、
咄嗟にはなってしまった1文字。
白濱亜嵐
何?
佐野玲於
いや?なんでもない…
あいつが、オムライス?


…ちょっと危険な気がしたけど


心がドキッと温かくなった。
白濱亜嵐
行ける人 ~ !
小森隼
はいはい!行けます!
今日は収録はないんで!!
数原龍友
おん ~ 、行けんで ~ !
中務裕太
俺も。
関口メンディー
行ける!
小森隼
ま、メンさんは当然ですよ。
関口メンディー
なんでだよ。
小森隼
お財布じゃないですか。
関口メンディー
やめろ!
片寄涼太
僕も行けます。
…いや、俺は、
白濱亜嵐
玲於は?
亜嵐くんからそう言われて
みんなからも視線が集まる。
あいつが、初めて作ったオムライス。


そんなの食べないわけがないでしょ。
佐野玲於
俺、やめときます。
白濱亜嵐
ええ、珍しい。
佐野玲於
また、メンさん、お願いします。
関口メンディー
やだよ!
解散となって、近くでタクシーを拾って


気持ちはせかせかして家に向かう。
腕時計は10時をさしてて


寝てるかなって焦る。


また、泣かせたくないし。
アパートの前まで来て急いであなたの部屋の前に来て


インターホンを推す。
けど、なかなか出てこない。
もう1回…もう1回…
佐野玲於
…出てこねぇ、
どこか行った?


もしかして、また、吉野ってやつ…と…
あなた

玲於さん!お疲れ様です!

横から聞こえたあなたの声。


片手に大きな声カバンを持って長いストレートの髪を


夜風になびかせてぶかぶかな部屋着のあなた。
佐野玲於
お前、どこ行ってたの。
あなた

あ、コインランドリーです!

そうだった、雨降ってたわ…
佐野玲於
あ、そう。
良かった。
吉野じゃない。
…は?
俺、今、嫉…
あなた

玲於さんオムライス食べますか…?

弱々しい声で俺に聞いてくる。
佐野玲於
食べる。
そう言えば明るく笑顔になる。


可愛い…な…
改めてちゃんと入るのは…何気に初めて。
いつもドタバタしてたからな。
あなたが前に行って俺の前に立った時。


シャンプーの香りがすごく色っぽくて


めちゃくちゃドキドキする。
あなた

さ!どぞ!

…こいつ、こんな可愛かったっけ。
今の俺はすごく熱い。
"  好きなら何歳差でも好きって言える関係  "
佐野玲於
えっ…?
あなた

どうかしました?

隼の言葉すっごく今、分かる。
佐野玲於
なんでもない…
あなた

疲れました?笑

佐野玲於
疲れた。
年の差…か。

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