玲於side
変わらない日常。
楽屋に行けば楽屋でのんびり過ごすメンバー達。
することは違くても
聴いてる音楽や思っていることは
だいた ~ い、一緒。
それぐらい仲の深い俺ら。
だから
またすぐ、俺の心まで読み取ってしまうんだよ。
ボソボソ聞こえる声だって
俺にとって、虫の声。
ほぼ聞こえないに等しい。
…そうさせてんだ。
呑気な顔で入ってきたメンさん。
思いっきり睨むと
メンバーが慌ててメンさんを物陰に隠して
俺に向かってニコニコし出す。
…気使ってくれてんのは有難いけど
隼の後ろからはみ出るメンさんの頭。
やるならちゃんと隠してほしい。
そこから生まれる笑い。
…笑ってればこの思いは消えるかな。
なんて思ったけど
想像以上に大きくなったあなたへの思いは
そんな簡単に消えるほど薄くない。
勝手に落ち込んでる。
ん?
伏せている時、俺の頭の上にあった携帯を
探るけどなくて起き上がって亜嵐くんをら見たら
勝手に俺の携帯触ってやがる!!!
送信取り消ししようとした瞬間に
既読がついてしまって
亜嵐くんを睨むと
てへっ、て舌を横に出してぶりっこした。
ムカつく。
視線を向けると
「 メンバーいるけど大丈夫? 」
「 大丈夫です 」
俺も、伝えなきゃ。
例え、あなたがもう好きじゃなくても、
俺の気持ちを。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。